コラーゲンを食べるよりビタミンCを大量摂取するべき

弾力のあるお肌を保つためには、コラーゲンが必要になります。

世の女性たちは、当たり前のように知っていると思います。だから、ハリのあるお肌を維持するためにコラーゲンを食べている女性は多いと思います。

コラーゲンはタンパク質であり、タンパク質は20種類のアミノ酸がつながってできています。タンパク質は食べると消化管でアミノ酸まで分解されて体内に吸収されます。そして、体内で必要なタンパク質を作るために再びアミノ酸をつなげていきます。

だから、コラーゲンを食べても消化管でアミノ酸に分解されるので、食べたコラーゲンが体内で再びコラーゲンに再合成されるかどうかはわかりません。これを知っている人は、コラーゲンを積極的に食べる意味はないとわかっているはずです。

コラーゲン合成にはビタミンCが関わっている

コラーゲンは、細胞と細胞の間、組織群である臓器と臓器の間の隙間を埋める結合組織の主役となっています。もしも、コラーゲンがなければ細胞と細胞はバラバラになってしまうでしょう。

壊血病になると、歯茎から出血しますが、これはコラーゲンの不足や異常で血管が破れやすくなって起こるものです。コラーゲンは、細胞同士の結合がはずれないように、組織同士の結合がはずれないようにするために大切なタンパク質なのです。

壊血病の原因は何かというと、ビタミンC不足です。その昔、長い期間、航海をしていた船員が体のいろんな部分から出血して死ぬ病気が発生しました。この病気が壊血病です。航海中は、ビタミンCが多く含まれる果物を食べることが難しかったため、ビタミンC不足に陥り壊血病を発症することが多かったのです。

でも、壊血病はコラーゲンの不足や異常で細胞同士のつながりがはずれてしまって発症する病気なのに、なぜビタミンC不足で壊血病になるのでしょうか?

それは、コラーゲン合成にビタミンCが関わっているからです。

分子栄養学を提唱した三石巌先生の「ビタミンC健康法」にコラーゲン合成とビタミンCの関係が簡潔に書かれているので紹介します。

コラーゲン分子はトロポコラーゲンという長いタンパク分子が三つ集まって三つ編みの丈夫な繊維になっているが、これがきちんと作られるためには、プロリンとリジンとに水酸基が付いていなければならないのだ。このような構造のコラーゲン繊維の引っ張り強さは、鋼鉄よりも強いのである。
ここで、補酵素の役割を思い出していただきたい。水酸化酵素は、当然のこととして補酵素を要求するだろう。それがビタミンCであったのだ。だから、ビタミンCがなければヒドロキシプロリンもヒドロキシリジンもなく、従って正常なコラーゲンはできないことになる。(65ページ)

航海中の船員は、タンパク質は食べていたでしょう。食料が不足しても、魚を捕まえればタンパク源の確保はできたはずです。しかし、航海中にビタミンCを調達することは困難です。だから、航海中の船員は、壊血病にかかりやすかったんですね。

このことから、細胞同士をつなぐ結合組織を構成するコラーゲンは、どんなに外からたくさん補給しても、体内でビタミンCが不足していれば合成できないことがわかります。

強い骨作りにもビタミンCが必要

丈夫な骨にはカルシウム。

これは、誰もが知っていることですが、カルシウムだけでは丈夫な骨は作れません。確かに骨を構成する主成分はカルシウムですが、骨に弾力を与えるためにコラーゲンも使われています。

だから、丈夫な骨作りには、カルシウムだけでなく、コラーゲンの原料であるタンパク質を多く食べることが重要です。そして、コラーゲン合成に欠かせないビタミンCもしっかりと摂取しておかなければなりません。

コラーゲンは有機質、カルシウム塩は無機質である。骨の組成を見ると、一般に、加齢と共に有機質が減少し、無機質が多くなる。従って、子どもの骨は粘りがあり、老人の骨はもろいのを特徴とする。骨には、軟骨と硬骨とがあるが、ここに述べたのは硬骨のことである。軟骨はカルシウム塩を含まない。
これだけの予備知識があれば、骨折しやすい骨がどんな骨であるか、を考えることができるはずだ。コラーゲン分子が不完全であっても、カルシウムが不足していても、骨は弱いのである。(109ページ)

魚ばかり食べていても、骨を強くできないんですね。

丈夫な骨にはコラーゲンも必要ですし、そのコラーゲンを体内で作るためにはタンパク質とビタミンCもしっかり摂取しなければなりません。

ビタミンCをたくさん補給するには、果物や野菜を食べることが大切だと言われていますが、果物や野菜を食べていても大した量のビタミンCを摂取できません。ビタミンCの補給を果物や野菜に頼ると、それらでお腹いっぱいになってしまい、肝心のタンパク質やカルシウムの補給が疎かになります。

なので、手っ取り早くビタミンCを大量摂取するなら、ビタミンCのサプリメントを使うのがおすすめ。錠剤やカプセルのビタミンCは、ドラッグストアで60日分が400円前後で買えます。アスコルビン酸(ビタミンC)の粉末なら、もっとコスパが良いです。

どこでも手軽にビタミンCを摂取したいなら錠剤やカプセル。コスパ重視なら粉末。好きな方を選べば良いですが、毎日5グラム以上のビタミンCを大量摂取するなら、粉末の方が安上がりです。でも、粉末は通販以外で見たことがないんですよね。

参考文献