ビタミンB₂の摂取量を増やしてみた結果

人間が食事から摂取しなければならないビタミンB群には8種類あります。

ビタミンB群は、アデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーを作るために欠かすことのできない栄養素なので、普段の食事からしっかりと摂取しておきたいですね。ちなみにビタミンB群は肉、卵、魚に多く含まれている傾向にあります。

ビタミンB群のサプリメントを服用すれば、不測のリスクはまずありません。私もビタミンB群のサプリメントを服用しているのですが、摂取量を増やすとどうなるかを実験してみました。

ビタミンB₂の推定平均必要量

ビタミンB群を多く摂取して体にどのような変化があるかは、体感で探るしかないです。ビタミンB群が不足すると肌荒れ、口内炎、口角炎、疲労感といった症状が出やすくなりますから、ビタミンB群を多く摂取してこういった症状が出にくくなれば、以前はビタミンB群不足だったと推測できます。

ただ、ビタミンB群のうちビタミンB₂は、目で見て摂取量が多いかどうかを確認することが可能です。

ビタミンB₂の推定平均必要量は、成人女性で1.0mg/日、成人男性で1.3mg/日とされています。

ビタミンB₂が不足すると、口内炎、口角炎、脂漏性皮膚炎、脱毛など皮膚粘膜疾患が現れるのですが、推定平均必要量はこれらを予防できる最小摂取量から求めたものではありません。

ビタミンB₂は、体内で過剰になると尿として排出されますが、その時の尿は黄色くなります。ビタミンB₂の推定平均必要量は尿中にビタミンB₂の排泄量が増大し始める摂取量(体内飽和量)から算定したものです。

したがって、尿が黄色くなっていれば、体の中のビタミンB₂の量は十分にあると推測できます。

サプリメントを使うと尿は黄色くなる

普段の食事で摂取できるビタミンB₂の量は、そんなに多くはありません。推定平均必要量の2倍くらいまでは摂取できるでしょうが、それ以上の量を摂ろうと思うと工夫が必要です。

市販のビタミンB群のサプリメントだと、ビタミンB₂を推定平均必要量の10倍以上摂取できます。私が使っているビタミンB群のサプリメントは1粒にビタミンB₂が15mg含まれており、1日に2粒を飲むようになっています。したがって、1日の目安量を守れば30mgのビタミンB₂の摂取となります。

さすがにこの量のビタミンB₂を摂取していると、尿は常に黄色といった感じです。夏場に水をたくさん飲んだ時は色が薄くなりますが、それ以外の季節だと尿は鮮やかな黄色をしています。

ビタミンB₂の摂取量を増やしてみた

さらに半年ほどの期間、ビタミンB群のサプリメントを1日に3粒飲む実験をしてみました。

体調に変化があるかなと思ったのですが、体感できるほどの変化はありませんでした。ビタミンB群のサプリメントを服用し始めた時は、それ以前よりも髭剃り時の剃刀負けが減りましたし、髭剃り中に切った唇の端の傷の治りが良くなったりと変化を感じられたのですが、一定量を超えると体感は同じようです。

だから、ビタミンB群のサプリメントは目安量の1日2粒に戻しました。

見た目の変化に気づいたのは、この時です。それまでは、尿の色がいつも黄色かったのですが、ビタミンB群のサプリメントを1日2粒に戻してからは尿の色が薄くなっているのに気づきました。3粒から2粒に減らしたのだから、尿の色も薄くなるだろうと突っ込まれそうですが、以前に2粒摂取していた時よりも尿の色が薄いのです。

これは一体どういうことでしょうか?

ビタミンB₂の利用効率に変化が出たのか?

サプリメントは全く同じものですから、ビタミンB₂の腸からの吸収率に変化はないでしょう。

ちなみにビタミンは少量を摂取した方が吸収率が上がります。なので、一度に多くのビタミンを摂取するよりも小分けにして摂取した方が、同じ量を口に入れても腸から吸収される量は多くなります。

ビタミンB₂の摂取量を半年間増やし、その後に以前の量まで減らして尿の色が薄くなったということは、以前よりもビタミンB₂の排泄量が減っていると考えられます。つまり、以前よりビタミンB₂を体内で効率的に利用できているのではないかと思います。

少量しかビタミンB₂を摂取していなかった時には、ビタミンB₂が全ての細胞に行き渡りにくくなっていたので、ビタミンB₂の処理能力が弱かったのでしょうか。それが、ビタミンB₂の摂取量を増やしたことで細胞の処理能力が上がったのでしょうか。

それだと好ましいことに思いますが、別の見方もできます。必要量を超えてビタミンB₂が体内に流れ込んできたことで、細胞が無理してビタミンB₂を処理しているとしたら、体にとって好ましいこととは言えないでしょう。

ビタミンB₂には過剰症が報告されていないので、摂取量を増やしたことで利用効率が上がったのだろうと思います。それなら、もうビタミンB₂を多く摂取する必要はなさそうです。これまで尿として捨てていたビタミンB₂も有効に利用できるようになったと考えられますからね。

ビタミンB₂には過剰症の報告がないので耐容上限量は設定されていません。でも、その他のビタミン、特に脂溶性ビタミンのA、D、Kは摂りすぎると過剰症になるので、耐容上限量は守った方が良いでしょう。

参考文献