糖質制限をすると死亡率が上がると言われています。
米やパンなど炭水化物(糖質)が多く含まれている食品を食べず、その代わりに肉や卵などを多く食べると血中のLDL(悪玉コレステロール)が増えるので、血管を傷めて心疾患になりやすいと警告するお医者さんもいます。
そう言われると、糖質制限は危険だと思い、これから糖質制限を始めてみようかなと思っている人は試さなくなるでしょうし、糖質制限をしている人でも危険ならやめようと思うかもしれません。
ところで、糖質制限が原因で心疾患になって亡くなった人っているんですか?
糖質制限をしていて亡くなった人はいる
2016年に糖質制限をしていた桐山秀樹さんが亡くなりました。
この時は、糖質制限をしていたから桐山さんは亡くなったんだと、様々なところで言われました。ちなみに桐山さんは心不全で突然死したとされています。
では、糖質制限をすると心疾患で死亡する危険性が高まるのでしょうか?
2016年に糖質制限をしていて心疾患で亡くなったのは、桐山さんだけです。もっといるかもしれませんが、わかりません。そもそも、誰も調べていないのでしょう。
したがって、2016年に糖質制限をしていて心疾患で亡くなったのは1人だけと推測します。
次に桐山さんが、糖質制限が原因で亡くなったのかということですが、これはわかりません。仮に糖質制限が原因だったとしても、糖質制限が危険だとは言えません。
なぜなら、「わが国における心疾患の死亡率・罹患率の傾向」というPDFによると、2016年の心疾患の死亡者数が19.8万人もおり、そのうち糖質制限をしていた人の人数はたったの1人だからです。
糖質制限食は高糖質食より圧倒的に安全だろう
この心疾患での死亡者数19.8万人という人数を見れば、糖質制限食が高糖質食より安全だと誰もが気付くはずです。
日本の人口を1億2千万人とした場合、ざっくりと計算すると、人口10万人当たりの心疾患の死亡者数は165人です。
仮に2016年に糖質制限をしている人が全国に1,000人いたとすると1人が心疾患で亡くなっているので、10万人当たりにすると100人が心疾患死亡者と推定できます。そうすると、糖質制限をしていない人は糖質制限をしている人よりも1.65倍、心疾患で死亡する確率が高いことになります。
でも、これは、糖質制限をしている人を極めて少なく見積もって出した人数です。2016年にたった1,000人しか糖質制限をしていないということはないでしょう。この時には、すでに低糖質食品が流行していましたからね。
2016年に糖質制限をしている人が1万人だと仮定すれば、糖質制限をしていない人の死亡率は16.5倍高いことになります。糖質制限人口が10万人であれば、糖質制限をしていない人、すなわち高糖質食の人は165倍、心疾患での死亡率が高いことになります。
糖質制限をすると死亡率が上がるなんて、大ウソじゃないですか。
心疾患死亡者19.8万人のうち、1割の1.98万人が糖質制限をしていたと言うのなら、糖質制限が危険だという主張には耳を傾けた方が良いでしょう。でも、たったの1人しか糖質制限をしていた人が亡くなっていないのですから、糖質制限が危険だとは言えません。
糖質制限にもいろいろある
一口に糖質制限と言っても、どの程度の糖質を制限するかは人によって違います。
糖尿病治療に糖質制限食をすすめている江部康二先生は、1日3食の全てで米やパンなどの主食を抜く糖質制限をスーパー糖質制限、1食だけ主食を抜くのをスタンダード糖質制限、主食を2食抜くのをプチ糖質制限と名付けています。
スーパー糖質制限だと、糖質摂取量は1食で20グラム未満、3食合計で60グラム未満になります。
茶碗1杯の白米を食べると、約60グラムの糖質摂取になりますから、スタンダード糖質制限だと1日に120グラム未満の糖質摂取、プチ糖質制限だと1日に180グラム未満の糖質摂取になります。
1日に200グラム以上の糖質を摂取していれば高糖質食と言えるでしょう。
どの程度、糖質を摂取するかは人それぞれ。好きなものを好きなだけ食べたいのなら、糖質制限をする必要はないです。ちょっと太って来たから体重を減らしたいなと思う程度ならプチ糖質制限でも減量効果を得られるでしょう。
身体に劇的な変化が出るのは、やっぱりスーパー糖質制限ですね。スタミナが全然違いますわ。
糖質制限で死亡率が上がるという情報はデマですよ。
医学論文に糖質制限で死亡率が上がると書いてあったから死亡率は上がるんだと言っているだけ。
2016年に心疾患で死亡した人が19.8万人いるんですから、その中から1%ほどサンプルを抽出して生前に糖質制限をしていた人が何人いたかを聞き取り調査した方が良いんじゃないですか?