腕立て伏せと懸垂はセットで行う

自宅にいながら、腕の筋力を鍛えるトレーニングとして、すぐに思い付くのがプッシュアップ(腕立て伏せ)です。

プッシュアップは、器具を一切必要とせず、自重だけでできるトレーニングなので、ちょっと腕を鍛えようかなと思ったら、すぐに取り組めるのが利点です。ただ、腕を鍛える筋トレとして、プッシュアップだけしていては不十分です。

なぜなら、プッシュアップは、主に上腕三頭筋を鍛えて押す力は強くできますが、上腕二頭筋を鍛えて引く力を強くできないからです。だから、腕の筋力アップには、プッシュアップだけでなく、上腕二頭筋を鍛えられる懸垂もセットで行う必要があります。

懸垂はプッシュアップより難易度が上がる

プッシュアップは、自宅でできますが、懸垂を自宅でするのは難しいです。

懸垂は鉄棒にぶら下がって、体を持ち上げるのが一般的なやり方ですが、室内に鉄棒のようなものがある家はほとんどないですからね。だから、自宅で懸垂をしようと思うと専用の器具を買う必要があります。

しかし、このような器具は、置き場が必要になりますから、どの家でも置けるわけではありません。そうすると、懸垂をしようと思えば、鉄棒がある公園に行くのが最も手軽な手段です。

ただ、公園にある鉄棒は子供用が多いので、大人がぶら下がれるだけの高さがある鉄棒が設置されていないことがあります。このような場合は、足を前に伸ばして、子供用の鉄棒にぶら下がり、腕を曲げて体を持ち上げる懸垂をすれば、上腕二頭筋を鍛えられます。負荷は、高い鉄棒にぶら下がる場合よりも軽くなります。でも、この方法でも、より低い鉄棒を選んでぶら下がれば、負荷を強くすることが可能です。

拮抗筋を鍛える

上腕二頭筋は、二の腕の内側の筋肉で、腕を曲げるときに使う筋肉です。一方の上腕三頭筋は、二の腕の外側の筋肉で、腕を伸ばすときに使う筋肉です。前者は屈筋、後者は伸筋です。

上腕二頭筋と上腕三頭筋のように互いに対立する動作をする筋肉を拮抗筋と言います。

パーソナルトレーナーの吉田輝幸さんの著書「腹筋を割る技術」では、拮抗筋のどちらかを鍛えたいなら、もう一方も同時に鍛えないと、ケガのもとになったり肝腎の筋肉が発達しないこともあると述べられています。

腹筋を鍛えたいなら、一緒に対立する背筋も鍛える必要があります。太ももの前面を鍛えたいなら、対立する太ももの背面も鍛えなければなりません。拮抗筋のどちらか一方だけを鍛えるのは、効率が良くありません。

腹筋や背筋は自宅で鍛えられます。太ももも、自宅でスクワットをすれば前面と背面を鍛えられます。

しかし、二の腕は、上腕三頭筋は自宅でプッシュアップをすれば鍛えられますが、上腕二頭筋は懸垂をしなければ、なかなか鍛えられません。だから、二の腕の筋肉を鍛えるのは、自宅でできる自重トレーニングだけでは厳しくなります。

ジムに通わず、上腕二頭筋を鍛えるためには、鉄棒がある公園を見つけるしかないでしょう。鉄棒がなくても、公園に行けば、ぶら下がれる遊具が見つけられるかもしれませんから、上手に工夫して上腕二頭筋を鍛えてください。

参考文献