大阪府の緊急事態宣言は2月28日で解除されましたが、関東の4都県は3月21日まで再延長されることになりました。
これまで、大阪府に緊急事態宣言が出されてから、新型コロナウィルスの陽性者の状況を分析してきました。宣言が解除されたので、もうやめておこうと思ったのですが、関東での再延長が決まったので、もうしばらくは分析を続けていきます。
緊急事態宣言が解除された地域と延長された地域で、陽性者の動きに差があるかを比較する必要がありますからね。
新規陽性者が若干増える
1月13日から3月5日までの陽性者の増加数を確認していきましょう。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。
緊急事態宣言が出された1月13日から3月5日までの新規陽性者の累計は11,671人です。1日平均で約230人の発生数です。
いつもながら、飲食店からは新規陽性者は発生していません。
年代別の陽性者の増加数も見ておきましょう。
20代が最も増加数が多いですが、それほど突出しているようには見えませんね。1月13日時点では、20代が他の世代の2倍ほどの陽性者数だったのですが、3月5日までの累計で見ると、1.5倍ほどに差が縮まっています。
1月13日から3月5日までの新規陽性者の推移です。
2月28日に緊急事態宣言が解除されてから少し陽性者数が増えています。これに対して、テレビでは、再び感染者が増加し始めたと報じていますが、そんなことはありません。
下の検査数の推移を見ればわかりますが、3月2日から5日までの3日間は検査数が増えています。1日当たり7,000件以上の検査数です。これは、1月15日頃と同じ検査数です。
PCR検査は、感染していなくても1%の確率でまちがって陽性と出ます。
3月5日のPCR検査数は5,712件でしたから、57件ほどはまちがって陽性と出ている計算になります。一方、2月28日のPCR検査数が3,586件でしたから、この日は35件ほどがまちがって陽性と出たと推測できます。両者の差は22件です。
2月28日の陽性者数は54人、3月5日の陽性者数は74人です。その差20人は、先ほどの22件とほぼ同じですね。したがって、PCR検査数を増やしたからまちがって陽性と出た人が増えただけであり、実際の感染者数は増加していないと考えられます。
なお、陽性率は、3月3日が1.4%、3月4日が1.2%、3月5日が1.0%です。
3月2日は検査数が少なく3,769件でした。そして、同日の陽性率は2.1%でした。
これを見れば、検査数を減らせば陽性率が上がり、検査数を増やせば陽性率が下がることがわかります。
経路別陽性者に大きな変化なし
新規陽性者の推移を経路別に見ましょう。
2月15日頃から、ずっと低い水準を保っています。医療機関と施設での陽性者も減っており、これから再拡大するようには思えません。
年代別の陽性者の推移も見ておきましょう。
こちらも2月15日頃から、ほぼ横ばいで推移しています。
3月3日から5日の間にオレンジ色の30~50代の陽性者数が増えていますが、これは、先ほど指摘した検査数の増加が理由と考えられます。この期間は、30~50代の検査数が多かったのでしょうね。
1月13日から3月5日までの年代別陽性者の累計です。
グラフで見れば、20代とその他の世代の差が縮まってきているのがよくわかります。
死亡者数も減りつつある
1月13日から3月5日までの大阪府の新型コロナウィルスが原因で死亡した方は、442人でした。その内訳は以下の通りです。なお、50代は7人、40代は2人の死亡です。
死亡者数は2月27日から4人以下で推移しており、落ち着き始めています。3月5日時点での重症患者数も75人に減っています。
東京は重症者数が50人程度しかいないのに緊急事態宣言が解除されないのはおかしな話ですね。医療のひっ迫度では大阪府の方が上でしょう。1千万人都市の東京で、わずか50人の重症患者が出ただけで医療がひっ迫するなんて、ちょっと考えられないですよ。
いったい何のための緊急事態宣言の再延長なのでしょうか?
意味不明。