4月5日から大阪府にまん延防止等重点措置が適用され、そろそろ2週間が経とうとしています。
新型コロナウィルスの陽性者数は、この1週間でまだ増加し続けていますが、3月下旬から4月初旬と比べると伸び率が鈍化しています。1週間前の段階で新規陽性者数の増加は天井に達したのではないかと思ったのですが、まだ増加は続いています。
でも、陽性率が明らかに下がり始めているので、そろそろ減少し始めそうです。
新規陽性者数の増加の内訳
1月13日から4月16日までの陽性者の増加数を確認していきましょう。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。
まずは、経路別の1月13日から4月16日までの陽性者数の増加表です。
4月13日に大阪府が公表している陽性者数に252人の計上漏れがあることがわかりました。これについては、計上漏れがあった3月31日から4月11日の人数を調整して上記表を作っています。なお、4月13日に判明した新規陽性者数には、この計上漏れ252人は含まれていません。
全体の傾向としては、施設と他の増加が目立ちます。飲食店はいつも通り、陽性者の発生はありません。
医療機関では、陽性者数の発生は減少傾向です。
年代別の陽性者数の増加表です。
4月に入ってから90歳以上の陽性者数が増えています。施設での陽性者数の増加が影響しているように思います。
また、年代が不明の方が1名います。ホームレスの方や外国人の方なのでしょうか。
1月13日から4月16日までの新規陽性者数の推移です。
4月15日が1,208人、4月16日が1,209人です。ほぼ横ばいになりました。
こちらは、1月13日から4月16日までの検査数の推移です。
4月14日から検査数が増加しています。
そして、4月15日からは陽性率が下がっています。
上のグラフは、1週間移動平均で、4月14日の陽性率は9.0%でした。
毎日の陽性率を見ると、4月14日は8.4%、4月15日は7.2%、4月16日は6.8%に低下しています。これは、検査数を増やしても、それに比例して陽性者数が増えていないことを意味しています。すなわち、そろそろ感染拡大のピークが過ぎ始めているのではないかと推測できます。
4月9日の1週間移動平均の陽性率が9.2%、4月10日のそれが8.9%、4月11日が8.5%と徐々に低下していたので、やはり、1週間前から陽性者数減少の兆しはあったようです。
陽性者数の経路別と年代別の内訳
1月13日から4月16日までの経路別陽性者数の推移です。
感染経路不明と感染経路不明者の濃厚接触者等が、最も多いのはいつもの通りです。
上のグラフから、医療機関、施設、他を取り出したのが以下のグラフです。
施設と他が3月下旬から、ずっと高い水準になっています。
他には、職場や学校が含まれています。職場や学校での集団感染が増えてきているようです。
年代別の陽性者数の推移です。
これを見ると、30代から50代の陽性者数が多いので、職場での感染が広がっているように考えられますね。
60歳以上の陽性者数の増加も目立ち始めてきました。こちらも、施設での感染者の増加と関係がありそうです。
20代以下については、伸びが鈍化しています。1月13日からの緊急事態宣言の期間は、20代以下の陽性者数が減少し始めると、他の年代の陽性者数も減少し始めました。その時と傾向が同じであれば、今回も、これから陽性者数は減っていきそうですが。
テレビでは、20代の若者が感染を広げていると報道されていますが、若年層ほどウィルスに感染した時に症状が出やすいから、20代の陽性者が見つかりやすいだけじゃないかと思うんですけどね。若いときは風邪をひきやすかったのが、年齢を重ねるごとに風邪をひきにくくなるのは、永年、異物を体内に取り込んで、免疫力が強化されているからだと言われています。この理屈が正しければ、20代の陽性者数が多いのは、症状が出やすいから検査でウィルスが見つかる可能性が高くなると考えられます。
1月13日から4月16日までの年代別の陽性者の累計です。
20代が突出している点は、以前から同じです。
90歳以上の死亡者数が少ない
1月13日から4月16日までの毎日の死亡者数です。
4月9日までは、死亡者数が1日に5人を超えることはなかったのですが、4月10日以降、5人を超える日が出てきました。4月16日は16人の方が亡くなっています。
陽性者数が増加したことで、死亡者数も増え始めてきているように思います。
1月13日から4月16日までの死亡者数の合計は564人でした。
40代は3人、50代は13人です。この1週間で50代の死亡者が5人増えました。一見、変異ウィルスは毒性が強いように思えますが、90歳以上の死亡者は意外と少ないです。
1月13日から2月28日までの90歳以上の陽性者数は346人、死亡者数は102人だったので、この期間の90歳以上の死亡率はざっくり計算して29.5%です。
3月の90歳以上の陽性者数は75人、死亡者数が31人だったので、死亡率は41.3%です。
4月1日から16日までの90歳以上の陽性者数は171人、死亡者数が19人なので、死亡率は11.1%です。
検査で陽性と出て、死亡するまでに時間がありますから、同期間の陽性者数と死亡者数がぴったりと対応するわけではありません。だから上の死亡率も正しい数字ではないのですが、ある程度の参考にはなると思います。
今では、変異ウィルスの方が従来型よりも幅を利かせている状況です。90歳以上の死亡率が低そうなので、変異ウィルスは従来型よりも毒性が低い可能性があります。
ただ、重症者数は増加傾向にあります。
死亡率や重症化率については、これからも観察していかないと、はっきりとしたことは言えませんね。