東京都の時短命令が違法と認められたよ。これからコロナ関連の訴訟が増えそう。

2022年5月17日の朝日新聞を読んでいると、2021年1月に出された東京都の緊急事態宣言下での飲食店に対する時短命令を違法とする判決が東京地裁で下されたと書かれていました。

原告は、飲食チェーンを展開するグローバルダイニングです。

東京都が時短命令を出す明確な根拠が示されていなかったことが、東京都の敗北となったようですね。

科学的根拠のない行動制限は難しくなる?

今回の判決に対して、グローバルダイニング側は、行政は今後、科学的根拠を示して命令を出すようになるだろうと述べています。

東京地裁も、今回の判決について以下のように東京都の対応のまずさを指摘しています。

  • グローバルダイニングの店舗は換気や消毒などの感染対策をしていたので、クラスターが起きるリスクは高くなかった
  • 東京都は命令発出に先立って対策の実情を確認しておらず、同社が感染リスクを高めていたとの根拠がなかった
  • 命令時点では新規感染者は減り、緊急事態宣言の3日後の解除も決まっていた
  • 4日間しか効力がない命令の必要性について東京都は合理的な説明をしていない

緊急事態宣言が3日後に解除されることが決まっていた状況で、時短命令を出すのは、さすがにおかしいですよね。新規感染者数が増え続けている状況なら、時短命令を出すのは仕方がないと思える部分がありますが。

また、飲食店の感染対策を確認せずに時短命令を出すのも問題でしょう。これでは、飲食店側がどんなに感染対策の努力をしても、東京都が「時短だ」と言えば、それに従わなければなりません。例え、徹底的に感染対策して、これまで1人も感染者を出していなかったとしても、鶴の一声で時短が決まるのだったら、費用をかけて感染対策をする利点はないですね。

今回の東京地裁の判決では、東京都に賠償命令は出ませんでしたが、今後は、「他の自治体がやっているから、うちも飲食店に時短命令を出す」といったことはできなくなりそうです。

これから訴訟が増えそう

今回のグローバルダイニングの訴訟で、これから新型コロナウィルス関連の訴訟が増えるかもしれませんね。

大阪府では、飲食店でほとんど陽性者が出ていなかったのに営業を制限されていましたから、訴訟を起こされても仕方なさそうに思います。2021年は、このブログで頻繁に大阪府の新型コロナウィルスの感染状況を報告していましたが、飲食店での陽性者数は大した数ではありませんでした。

これは、飲食店で、集団感染がほとんど発生していなかったことを意味しています。それなのにメディアで、飲食店が感染源になっていると報道されることが多かったです。他の地域の飲食店の状況は知りませんが、大阪府に限れば、最もコロナに感染しにくい場所が飲食店だと言えるくらいでした。

飲食店が集団訴訟を起こすと、大阪府も東京都と同じように裁判で負けるかもしれません。

あと、コロナワクチン関連の訴訟も出てきそうですね。

ワクチン接種後に死亡した人は、ワクチンとの因果関係が評価不能の場合が多いですが、ワクチン接種後に後遺症が出た人は因果関係ありと評価されている人が死亡の場合よりも多いです。2022年5月13日時点で、ファイザー製ワクチンの接種後に後遺症が出た人は279人、そのうち因果関係が「関連あり」になっている人は105人です。なお、データは、コロナワクチン副反応データベース検索から取得しています。

因果関係が「関連あり」になっている人たちが、補償を受けられないのであれば訴訟になりそうです。今でも、テレビで政府広報が流れ、ワクチン接種をすすめていますが、もう必要ないでしょう。また感染が拡大し始めた時に政府広報を流せば良いと思うのですが。

これから、再びコロナの感染者が増えだしたら、政府はどうするんですかね。

また、緊急事態宣言を出すのかもしれませんが、グローバルダイニングの訴訟のことがありますから、そう簡単には緊急事態宣言を出せないかもしれません。緊急事態宣言にどの程度の効果があったのか、説明できる人はいるのでしょうか?