糖質制限を始める前に誰かの指導を受けるべきか

最近では、低糖質食品が普及し、糖質摂取量を減らす人が増えてきています。

体に脂肪がつく原因は、糖質の過剰摂取ですから、ダイエットをするなら糖質摂取量を控えることが最も効果的です。また、肥満は様々な生活習慣病の原因となりますから、健康のために瘦せたい方も、糖質摂取量を減らすべきです。

ただ、糖質摂取量を減らそうと思っても、自分で勝手に糖質制限を始めて良いものかどうか迷う人がいると思います。でも、糖質制限をする前に専門家の指導を受ける必要は基本的にありません

糖質制限こそが当たり前の食事

これまでの多くの人の食生活は、炭水化物(糖質)の摂取量が、タンパク質と脂質の摂取量合計と比較して1.5倍から2倍ほどあるのが当たり前でした。

でも、こんな食事をしている哺乳類は、人間や人間に飼育された動物くらいのものです。哺乳類は基本的に肉食であり、糖質をたくさん食べるような食事をする方がおかしなことなんですね。草食動物の牛ですらタンパク質中心の食事をしているのですから、雑食とされている人間が、大量に糖質を摂取する理由はありません。

本来、人間の食事は、糖質制限が当たり前だったのですから、糖質制限を始めることは、人間本来の食事に戻す行為でしかありません。だから、糖質制限を始めるのに誰かの指導を受ける必要はないんですね。

ところが、ネットの記事を見ていると、「糖質制限をする前に専門家の指導を受けましょう」と書かれていることが多いです。これは、健康に関する記事の決まり文句だと思って構いません。自己判断で、何かを始める前に誰かに相談した方が無難だと言いたいのでしょう。

糖質摂取こそ専門家の指導を受けるべき

反対に糖質を摂取する場合には、専門家の指導を受けなくても良いのでしょうか?

そんなこと誰も考えたことがないと思います。でも、糖質を摂取し続ければ、体に脂肪が蓄積されて肥満となり、生活習慣病になってしまう危険があるのですから、本来は、糖質を摂取する前に専門家に相談すべきです。糖質を摂取し続ければ、やがて、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病になってしまうかもしれませんからね。

しかし、糖質摂取が当たり前となっている現代社会では、糖質摂取に関して専門家の指導を受けることは、まずありません。

そもそも、生まれた時から糖質三昧の食事をしてきていますから、糖質摂取のために専門家の指導を受けるという発想自体が起こらないものです。本来なら、「あなたが1日に摂取できる糖質量は、100グラムまでです」といった指導があるのが当たり前だと思うのですが。

血糖値を下げる薬を飲んでいる人は医師に相談

基本的に糖質制限を始める前に誰かに相談する必要はありませんが、糖尿病で血糖値を下げる薬を服用している方は、医師の指導を受けなければなりません。

糖質制限を始めれば、自然と血糖値が下がっていきます。それなのに血糖値を下げる薬まで飲むと、血糖値を下げすぎ低血糖になってしまいます。

だから、糖尿病の方で、血糖値を下げる薬を服用している方は、必ず医師の指導を受けてください

ただ、お医者さんなら誰でも良いわけではなく、糖質制限に詳しいお医者さんでなければなりません。糖質制限のことをよく知らない先生だと、糖質制限自体を否定し、これまで通りに薬を服用するように指導されて終わる可能性が高いです。

糖尿病の方が、糖質制限を始める場合は、糖質制限に詳しいお医者さんに相談しましょう。

健康に問題がない方は、糖質制限を始める前に誰かに相談する必要はありません。不安なら、糖質制限をしている知人に相談すると良いでしょう。また、周囲に糖質制限をしている人がいない場合は、江部康二先生の著書を読みましょう。誰にでもわかりやすく書かれているので、読むのが苦痛に感じることはないはずです。

参考文献