先日、テレビの健康番組で、ビタミンDを多く摂るためには和食がおすすめといったことが紹介されていました。
ビタミンDが不足すると、小児だと、くる病や成長障害、成人だと、骨軟化症や骨粗しょう症といった欠乏症になるので、食事からしっかりとビタミンDを摂取しておかなければなりません。また、ビタミンDは日光を浴びると皮膚で合成されるので、極端に紫外線を避けているとビタミンDが不足してしまいます。
健康番組で紹介されていたように和食中心の食事で本当にビタミンDをしっかり摂取できるのか、ちょっと疑問なんですよね。
成人の1日の目安量は9.0㎍
厚労省が公表している日本人の食事摂取基準は、5年ごとに新しくなります。
2015年版では、成人の1日当たりのビタミンDの目安量は5.5㎍でした。でも、近年、それではビタミンDが不足することがわかってきたことから、2025年版では、成人の1日当たりのビタミンDの目安量は9.0㎍に引き上げられています。なお、日本人の食事摂取基準(2025年版)は厚労省の以下のページで見ることができます。
さて、健康番組では、干ししいたけ(乾燥椎茸)ときくらげに多くのビタミンDが含まれていると紹介されていました。どちらも、和食で使われる食材ですね。でも、カロリーSlismで調べたところ、乾燥椎茸は10個5グラムで0.68㎍、きくらげは1グラムで0.85㎍しか含まれていませんでした。
少なくないですか?
乾燥椎茸もきくらげも、1回の食事でちょっとしか使わないので、これだけで十分なビタミンDを摂取することはできないでしょう。和食がビタミンDの摂取におすすめというのは、どうも怪しくなってきましたね。
鮭の方がビタミンDがいっぱい含まれているよ
乾燥椎茸やきくらげよりも、鮭の切り身の方が圧倒的にビタミンDが含まれています。80グラム当たりでビタミンDが26.4㎍も含まれていますから、3日に1回、鮭の切り身を食べる方がおすすめです。
他にしらすは5グラム当たりで3.05㎍含まれています。
すじこやいくらも、ビタミンDが豊富ですが、あまり食べる機会がないので、ビタミンDの主要な補給源にはなりにくいですね。
こうやって調べていくと、鮭が手に入りやすく、価格的にも安いので、ビタミンD摂取の主要な食材と言えます。ビタミンDは海のものに多く含まれている傾向がありますから、日本人がよく魚を食べるという意味では、和食がビタミンD補給におすすめという見解は、それなりに説得力がありそうです。
ちなみにあんこうのきもは、100グラム当たりで110㎍のビタミンDが含まれていますよ。食べる機会は少ないですけどね。