脂肪を燃焼させる食材とか、テレビ番組で紹介されるじゃないですか。
きっと、その食材に含まれる成分が中性脂肪の分解に貢献することは正しいのでしょう。でも、その食材を食べなければ、身体に蓄えた中性脂肪を減らせないのでしょうか。
そんなことはないですよね。食事量を減らしたり、運動したりすれば、その食材を食べていなくても中性脂肪は減ります。さらに糖質制限をしていれば、中性脂肪は減少しやすくなります。
糖質を食べている限り中性脂肪は減りにくい
ダイエットをするのであれば、糖質摂取量を減らすのが最も効果的なのは、もはや当たり前となっています。でも、テレビ番組を成り立たせるためには、糖質制限だけ紹介していてもマンネリ化するだけですから、他のダイエットに効果的な食材や方法を紹介していく必要があります。
そう言えば、ダイエット番組を見ていると、さりげなく糖質摂取量を控えた方が良いと言ってますね。以前は、糖質制限は意味がないと言う専門家がテレビに登場していたものですが、いつのまにか、「糖質を控えるのはダイエットの基本」みたいな感じになっていて、否定する人をテレビで見かけなくなっています。今でも、糖質制限に否定的な見解はありますが、「糖質を減らし過ぎない方が良いですよ」といった軽い否定に変わっていますね。
さて、糖質制限をしていれば、中性脂肪が減少しやすくなるのは、すい臓のβ細胞がインスリンを大量に分泌しなくなるからです。
糖質を摂取し、血糖値が上がると、血糖を処理するためにインスリンを分泌します。その処理された血糖はどこに行くのかというと、脂肪組織です。糖質を食べれば食べるほど、そしてインスリンが分泌されればされるほど、血糖は中性脂肪に変換されて脂肪組織に入っていきます。だから、糖質摂取を続けていると中性脂肪は減りにくい状況になるのです。
糖質摂取は中性脂肪の分解もストップさせる
さらに困るのは、糖質摂取が身体に蓄えた中性脂肪の分解もストップさせることです。
糖質を摂取してインスリンが分泌されると、中性脂肪を分解するホルモン感受性リパーゼの働きが抑えられます。そうすると、中性脂肪はいつまで経ってもエネルギー利用されず脂肪組織にとどまりますから、糖質摂取で次々に脂肪組織に送られた中性脂肪が積み重なっていきます。
糖質摂取で、肥満スパイラルに陥るわけですね。
脂肪を燃焼する食材を食べる前にまず肥満スパイラルからの脱出が先でしょう。これをやらずに脂肪を燃焼する食材を食べたところで、糖質摂取を続けている限り、脂肪組織には中性脂肪が積み重なっていくだけです。
どの程度、糖質摂取量を減らすかは、現在の体型によりますが、緩やかな糖質制限であるロカボの場合だと、1日130グラムまでに糖質摂取量を抑えるようになっています。茶わん1杯の白米には、糖質が約50グラム含まれていますから、2杯までしか食べられません。その他の食材にも糖質が含まれていることを考えると、白米は1日に茶わん1杯までにすべきですね。
できることなら、白米もパンも麺類も食べないのが理想ですが、いきなり、そのような厳しい糖質制限を開始しても継続できなければ意味がありません。糖質制限は、やめた時点で、再びインスリンの大量分泌が始まりますから太ってしまいます。これをリバウンドという人がいますが、糖質を食べることが中性脂肪の蓄積につながるのですから、リバウンドとは違うでしょう。
インスリンやホルモン感受性リパーゼの働きを知ったら、ダイエットには糖質制限が大事だとわかりますよね。脂肪を燃焼させる食材を買ってくる前に糖質制限を始めましょう。