糖質の吸収を抑えるアルロースの解説が秀逸だった

先日、テレビを見ているとアルロースが糖質の吸収を抑えるということを解説していました。アルロースは希少糖の一種で、食事の時に一緒に食べると食物中の糖質が腸から吸収されるのを妨げる働きがあることから、急激な血糖値の上昇を抑えられるとされています。

この辺りの理屈は、先に野菜から食べると、糖質の吸収が悪くなり血糖値が上がりにくいということと同じようなものです。すでに言い古された理屈であり、効果も怪しいので軽く聞き流すだけだったのですが、番組に出演されている専門家の方の話が良かったので紹介します。

余分な糖質は脂肪に変わる

その専門家の方は、摂取した糖質(ブドウ糖)は、体内で肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられるけど、グリコーゲンとして蓄えられる量を超えると脂肪となることを説明していました。

これはダイエットをしている人が知っておかなければならない知識なのですが、ダイエットの専門家の方で、このことを説明する人は少ないですね。

筋肉に蓄えられたグリコーゲンは筋肉のエネルギー源になります。ただし、筋肉に蓄えられたグリコーゲンをエネルギーとして使うのは、激しい運動をする場合なので、普段の生活で活躍する場面はあまりありません。一方、肝臓に蓄えたグリコーゲンは血糖値を上げるために使われるので、血糖値が下がってくると、肝臓のグリコーゲンからブドウ糖が作られ血中に放り込まれます。

肝臓のグリコーゲンが消費された後は、肝臓や腎臓で、タンパク質や脂質を材料にブドウ糖を作り出す糖新生という反応が起こるので、糖質を摂取しなくても血糖値が下がりすぎることは、通常起こりません。

糖質制限批判者が、筋肉のグリコーゲンを血糖維持に使うから筋肉がやせ細ると言ってましたが、あれはウソ。ただの勉強不足ですね。

筋肉に充分なグリコーゲンが残っていると、食事中に摂取した糖質は、肝臓でグリコーゲンとして蓄えることになりますが、その量は100グラム程度なので、すぐに満タンになってしまいます。1日に2,000kcalを摂取した場合、その60%を糖質で賄うように言われていますが、そうすると1日に300グラムの糖質を摂取することになります。肝臓で蓄えられる量を大幅に超えていますよね。ご飯やパンばかり食べていると、脂肪が増えるのがわかると思います。

アルロースを食べても血糖値スパイクを起こしていた

番組では、タレントさんが、いろんな食べ物にアルロースを振りかけて食べていました。1週間だったか1ヶ月だったか忘れましたが、ある程度の期間、血糖値を計測していたのですが、結果は微妙でしたね。アルロースを摂取しても血糖値スパイクを起こしていましたから、高血糖の改善はあまり期待できそうにありません。

糖尿病の方が、ご飯にアルロースを振りかけたところで、急激な血糖上昇は抑えられないんじゃないですか。

アルロースよりも、出演されていた専門家の方が、余分な糖質は脂肪に変わることをしっかり指摘していたことの方が印象的でした。テレビで、もっとこのような解説をする専門家の方が出てくれば、肥満で悩む方や糖尿病になる方が減ると思うのですが。