2021年1月13日に大阪府に緊急事態宣言が発令されて10日ほど経ちました。
テレビを見ていると、未だ全国的にコロナウィルスの感染拡大が止まらないと報じられています。でも、大阪府については、感染拡大のピークが過ぎているように思います。
東京都も陽性者の数が減少傾向にあるように見えますから、全国的に見てもピークが過ぎたかもしれませんね。
1月13日以降飲食店での感染はゼロ
大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページにあるExcelデータをダウンロードし、1月13日から21日までの経路別の陽性者の累計を以下の表にまとめました。
この表を見れば明らかなように飲食店から陽性者が1人も発生していません。緊急事態宣言が発令されて、午後8時までの時短営業になった成果が出たと思うかもしれませんが、1月13日より前から、飲食店ではほとんど陽性者が出ていない状況でした。以下の記事に掲載している20年12月29日から21年1月13日までの経路別の陽性者の増加表を見ればわかります。
相変わらず感染経路不明の数が多いですが、医療機関と施設での発生件数も減りそうな気配がありません。
なお、21年1月19日のExcelデータより、20年10月10日から12月2日(第3波赤信号点灯前)までのクラスター関連の情報がまとめられてしまったので、上の表と大阪府のExcelデータで、経路別の陽性者の内訳が一致しません。この期間の陽性者の総数は1,498人ですが、上の表では、その内訳も含めています。
年代別の陽性者の状況
年代別で陽性者の発生状況を見ると、20代が最も多く、以前から傾向が変わっていません。
ただ増加率で見ると、60代以上の高齢者も高くなっていますから、20代から高齢者世代に感染が広がっているとは言えないでしょう。もはや、特定の世代が感染を拡大させているとは言えない状況ですね。
下のグラフは、1月13日から21日までの陽性者数を表したものです。
日にちによって、陽性者の発生数が突出している世代があるようには見えません。
1月13日から21日までの世代別の陽性者の割合は以下のグラフの通りです。
20代から50代までの現役バリバリの世代で陽性者の割合が高くなっています。仕事をしていれば外出する機会が多くなるので、コロナウィルスに感染する確率が高くなるのは仕方ないでしょう。
それより、60代から80代までの陽性者の割合が8%以上と高いことを問題視すべきです。60代の方は、まだ働いているかもしれませんが、70代や80代は、ほとんどの方が現役を引退しているのですから、これらの世代に不要不急の外出を慎むように言わないとダメでしょう。
1月13日から21日までのコロナウィルスの感染で死亡したとされる人数は、106人です。その内訳は以下の通りです。
70代以上が全体の91.5%を占めています。これを見ても、現役世代に自粛を迫るのはおかしいと思いますよね。
感染経路不明を除くと、医療機関と高齢者施設での感染が大多数なのですから、これらでの感染予防を徹底するだけでも、高齢者の死亡数を減らせるんじゃないですか。飲食店は、テレビで言われているほど感染を広げていませんし、感染予防もしっかりやっています。
なお、106人の死亡者のうち92人が新型コロナウィルス関連死亡です。関連死亡の意味が、よくわかりません。コロナ以外の病気が主要因で亡くなったということでしょうか?それだと、コロナが直接の原因で亡くなった方が14人だけになってしまいます。基礎疾患がない方でも、新型コロナウィルス関連死亡となっていることがあるので、92人がコロナが原因で亡くなったということでしょうか?
亡くなった方は、全て50代以上です。50代で亡くなった方は1人だけですが、基礎疾患はありませんでした。50歳を過ぎると、基礎疾患がなくても死亡する確率が高まるのかもしれません。
検査数が増えても陽性者数は大きく変わらない
1月13日から21日までの陽性者数の推移を折れ線グラフにしました。
陽性者が最も多いのは1月16日の629人です。そして、最も少ないのが1月18日の431人です。
したがって、最高と最低の差は198人で、1.46倍です。
新型コロナウィルスに感染して症状が出るまでに1週間程度はかかるので、陽性者の体内にウィルスが侵入したのは、陽性と確認された日よりも1週間ほど前と考えられます。
そうすると、最も陽性者数が多い1月16日に陽性と確認された人の体内には、1月9日前後にウィルスが侵入していたことになります。大阪府に緊急事態宣言が出されたのが1月13日ですから、感染のピークは宣言前に過ぎていた可能性があります。
以下の折れ線グラフは、検査数の推移を表したものです。
最も検査数が多いのは、1月20日の10,409件です。そして、最も検査数が少ないのは1月19日の2,599件です。最高と最低の差は、実に4倍の開きがあります。
陽性者数の差は、1.46倍でしかなかったことを考えると、検査数の差は非常に大きなものと言えます。
感染が拡大しているのなら、検査数が増えれば増えるほど陽性者数も増えるものです。ところが、検査数の多少にかかわらず、陽性者数は431人から629人の間で推移しています。
陽性率は最も検査数が多い1月20日で、4.9%です。陽性者数が最も多い1月16日が、検査数8,139件、陽性率7.8%で、この日を境に陽性者数が減少傾向にあります。
ちなみに1月22日の検査数は7,310件、陽性者数は450人です。
緊急事態宣言とは関係なく、感染拡大のピークは、過ぎたと見ても良さそうです。
とは言え、これからどうなるかわかりませんけど。データを見る限りでは、緊急事態宣言を出す必要はなかったように思えますね。