大阪府の新型コロナウィルス感染状況(21/01/13-21/01/29)。感染経路不明者も20代の陽性者も減少傾向。

1月が終わりに近づき、大阪府の新型コロナウィルス陽性者は、日に日に減少しています。この様子だと、2月以降の感染拡大はなさそうですね。

メディアでの報道も、徐々に変化しており、これまでの「感染が拡大している」という内容から、「感染拡大は収まってきているが、油断はできない」という内容に変わっています。

感染者の減少はこれからの気候次第ですが、1月29日時点では、大阪府は以後、感染が拡大することはなさそうです。

大阪府のコロナウィルス陽性者の増加状況

1月13日から29日までの大阪府の新型コロナウィルス陽性者の増加状況を経路別にまとめたのが以下の表です。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。

大阪府コロナウィルス陽性者数増加表(経路別)

飲食店は、ずっと陽性者を出していません。飲食店が感染を広げているというのは、大阪府ではデマでしかありませんね。1月13日の緊急事態宣言が発令される以前から、飲食店では陽性者が少なかったので、時短営業の要請は意味がなかったと言えます。

一方で、感染経路不明とその濃厚接触者が、陽性者全体で大きな割合を占めています。ここに目が行きがちですが、本当に対策をしなければならないのは、医療機関と施設です。これについては後述します。

年代別に大阪府のコロナ陽性者の増加状況を示したのが以下の表です。

大阪府コロナウィルス陽性者増加表(年代別)

これを見ると、20代で陽性者の増加が目立つので、20代での感染拡大を抑えることが必要だと思えます。でも、20代の感染対策は、それほど重要ではありません。これについても後述します。

問題は、70代以上の感染です。ここを食い止めないと重症者や死者が増加しますからね。

1月13日から29日までの陽性者の推移です。

1/13~1/29までの陽性者の推移

見ての通り、減少しています。

そして、こちらが同期間の検査数の推移です。

1/13~1/29までの検査数の推移

検査数は、日によって多かったり少なかったりします。検査数が少なければ陽性者も少なくなり、検査数が多ければ陽性者も多くなるものですが、大阪府では、検査数の多少と関係なく陽性者が減少しています。

これは明らかに感染のピークが過ぎたことを示しています。感染が拡大していれば、検査数を増やせば増やすほど、陽性者も増加するものです。しかし、検査数を増やしても陽性者が減少しています。

この様子なら、緊急事態宣言を前倒しで解除しても良いくらいです。

経路別と年代別で陽性者の推移を確認する

次に経路別に陽性者の推移を見ましょう。

1/13~1/29までの経路別陽性者の推移

緑色は感染経路不明で、最も多くなっていますが、明らかに減少傾向にあります。その下の紺色は感染経路不明者の濃厚接触者等ですが、こちらも減少傾向です。

大阪府の陽性者の大多数が、感染経路不明とその濃厚接触者等ですから、これらの減少は大阪府での感染拡大が止まったことを意味していると言えます。

一方で、減る気配がないのが、赤色の医療機関と灰色の施設です。むしろ、直近では増加気味です。

年代別に陽性者の推移も見ておきましょう。

1/13~1/29までの年代別陽性者の推移

最も陽性者が多い年代が茶色の20代です。でも、20代の陽性者は減少しています。1月28日は52人、29日は50人で、最も陽性者が多かった16日の135人の半分以下にまで減っています。

20代、30代、40代の陽性者と感染経路不明が同じように推移しているので、感染経路不明の多くは20代から40代と推測できます。大阪府のホームページでは、内訳が示されていないので、実際のところはわかりません。

一方、灰色の70代とオレンジ色の80代は、陽性者数にほとんど変化がありません。70代の陽性者は、28日が52人、29日は50人で、20代のそれと全く同じです。

これまで、若い世代が高齢者に感染を広げていると言われ続けていましたが、若い世代で陽性者が減っているのに高齢世代で陽性者が減っていないので、この見解も怪しいですね。

若い世代は若い世代に感染させており、高齢世代は若い世代とは関係なく感染していると考えた方が自然です。

高齢世代への感染は、医療機関と高齢者施設で起こっている思われます。先ほど、医療機関と施設での陽性者が減る気配がないと述べましたが、これは、高齢世代の感染が医療機関と高齢者施設で起こっているからでしょう。

大阪府の吉村知事も、「高齢者施設にコロナが持ち込まれないようにしなければならない」といったことを記者会見でおっしゃっていましたからね。

死亡者の70%は80歳以上

コロナでの死亡者数は、1月13日から29日までに215人確認されています。そのうち、実に70%が80歳以上です。

大阪府のコロナ感染での死亡者(21/01/13-21/01/29)

なお、40代は1人、50代は4人、60代は8人の死亡が確認されています。

コロナ関連死亡は191人で、全体の89%を占めています。

死亡者が70歳以上に偏っていることからも、高齢者施設や医療機関での感染を減らさなければならないことは、誰が見てもわかると思います。最近は、ワイドショーでも、施設での感染の多さを指摘し始めています。

夜の街、飲食店、若者が、これまで悪者にされてきましたが、かわいそうなものですよ。しかも、これらに責任を押し付けることで、本当に保護しなければならない高齢者施設の入居者や持病があって通院や入院している方の感染予防がおそろかになっていたわけですよね。

緊急事態宣言は、2月7日で終了予定ですが、延長すべきだと医学界から主張されています。でも、飲食店で感染しないし、若い世代での感染者も減少しているのですから、延長することに意味はないでしょう。

ちなみに感染拡大のピークが過ぎているのは大阪府だけではありません。夏井睦先生のホームページでも、東京都と全国の陽性者のグラフが掲載されていましたが、大阪府と同じように緊急事態宣言前に感染拡大のピークを過ぎていたことがうかがえます。

それでも、緊急事態宣言を延長するんですかね?