人が太るか痩せるかは、摂取カロリーと消費カロリーの関係で決まると言われていますよね。
「摂取カロリー > 消費カロリー」なら太り、
「摂取カロリー < 消費カロリー」なら痩せると。
この理屈が正しいのなら、「寝る前に食べると太るよ」という理屈はおかしいんじゃないですか?
消費カロリーが摂取カロリーを上回っていれば痩せ続けるはず
「摂取カロリー < 消費カロリー」の状態を維持できれば痩せていくと、お医者さんやダイエットの専門家の方がおっしゃっています。
それなら、1日の食事量と運動量が同じであれば、どの時間帯に食事をしようが同じ結果にならなければおかしいです。
例えば、1日の消費カロリーが2,100kcalだったとします。そして、1日の摂取カロリーが2,000kcalだったとします。この場合、消費カロリーが摂取カロリーより100kcal多いので、カロリーの理屈からすると痩せるはずです。寝る前に2,000kcal食べようが、起床時に2,000kcal食べようが、同じ2,000kcalですしね。
どのようなタイミングであれ、
消費カロリー – 摂取カロリー = -100kcal
の状態を毎日維持できれば、ダイエットは成功するわけです。
食べる回数も関係ない
そうすると、1日の食事回数もダイエットには関係ないと言えそうです。
1日1食でも、1日5食でも、摂取カロリーが同じ2,000kcalなら、あとは消費カロリーで太るかどうかが決まります。消費カロリーが2,100kcalであれば、どちらの食事回数であっても、100kcal分だけ体重が減るはずです。
では、100kcalは、どれくらい体重に影響を与えるのでしょうか?
糖質、脂質、タンパク質の1グラム当たりのカロリーは以下だとされています。
- 糖質=4kcal
- 脂質=9kcal
- タンパク質=4kcal
したがって、100kcalを脂肪で消費した場合には約11グラム、糖質とタンパク質で消費した場合には25グラム痩せる計算です。
カロリーが同じでも何を摂取して何を消費するかで結果が変わる
ちょっと待てよ。
同じ100kcalでも、糖質、脂質、タンパク質のどれをエネルギー利用するかで減る体重が違ってきますよね?
脂肪を減らしたいと思って、自らの意思で脂肪からエネルギー利用できたとしたら、消費カロリー100kcalでは11グラムの体重減少になります。でも、糖質やタンパク質からエネルギー利用できれば、消費カロリー100kcalでは25グラムの体重減少になります。そうすると、ただ痩せたいというのであれば、脂肪をエネルギー利用しない方が良いじゃないですか。
もしも、摂取カロリーも消費カロリーも1日2,000kcalであれば、摂取カロリーはすべて脂質、消費カロリーはすべてタンパク質とした方が痩せる計算になります。
脂質2,000kcal = 2,000kcal/9kcal = 222グラム
タンパク質2,000kcal = 2,000kcal/4kcal = 500グラム
脂質222グラム – タンパク質500グラム = -278グラム
カロリーの理屈では、摂取カロリーと消費カロリーが同じなら、体重に変化がないとなるはずです。しかし、上の計算では、何を食べて何をエネルギー利用するかによって、体重が変わってくることになります。
上の計算を逆にして、タンパク質2,000kcalを食べ、脂質2,000kcalをエネルギー利用した場合は、278グラム太る計算です。同じカロリーなのにおかしいですよね。
カロリーの理屈がおかしい
ここまで読めばわかったと思いますが、いつ食べるかや何回食べるかよりも、そもそもカロリーの理屈が変です。
カロリーの理屈をもとに計算すると、摂取カロリーが2,000kcalで、消費カロリーも2,000kcalだった場合、何を食べ、何を消費するかによって体重が増減することになります。摂取カロリーと消費カロリーが同じなら、体重の増減はないというのは、食べたものと消費したものが同じ場合にしか当てはまりません。
何を食べるかは、自分の意思で決められますが、何をエネルギー利用するかは自分の意思で決めることは難しいです。
糖質を摂取すれば糖質から優先的にエネルギー利用され、糖質を食べなければ中性脂肪をエネルギー利用します。タンパク質を食べた場合には、よくわかりませんが、インスリンの分泌量が糖質ほどは多くないので中性脂肪がエネルギー利用されていそうです。
カロリーの理屈なんていい加減なものですよ。
計算すれば、摂取カロリーと消費カロリーが同じでも、太ったり痩せたりすることがわかるんですけどね。
何を食べたら体の中で何が起こるのか。
こっちをもっと研究した方が、人が太ったり痩せたりする仕組みがわかるようになるんじゃないですか。