いつの間にか1日の糖質必要量が130グラムになっている

米、小麦、砂糖、果物、イモ類などの糖質が多く含まれている食品を食べるのを控える糖質制限については、様々な言説が飛び交っています。

かつては、糖質制限は早死にするなどという根拠のないデマがありましたが、今では、健康のためには糖質を摂り過ぎないことが大切だと言われています。それでも、1日あたりに必要な糖質摂取量は130グラムだと言う人がおり、いつの間にそんなことが決まったのかと不思議に思っています。

検索すると130グラムが適量といったページがたくさん出てくる

糖質の1日の摂取量を130グラム程度にすることを最近ではロカボといいます。山田悟先生が提唱する緩やかな糖質制限ですね。

これまで毎食米やパンを食べていた人にとって、ロカボは、割と簡単に始めやすい糖質制限です。試しに糖質制限をしてみようかなと思った時は、ロカボから始めると長続きしやすいのではないでしょうか。

このロカボが広まったことで、1日に必要な糖質摂取量が130グラムと言われるようになったのだと思います。

ネットで「糖質制限 130グラム」と検索すると、1日に必要な糖質摂取量は130グラムだと書かれているウェブサイトがたくさんヒットします。でも、真に必要な糖質摂取量は存在しません。これは、厚労省も言っていることです。

しかし、体内では、赤血球のように糖質(ブドウ糖)からしかエネルギーを作り出せない細胞があるので、体内で利用するブドウ糖をゼロにすることはできません。それなら、必ず糖質を食べなければならないと思うでしょうが、人体には、自力でブドウ糖を作り出す糖新生という機能が備わっているので、外部からブドウ糖を供給する必要はありません。

糖質制限をするのに医師や管理栄養士に相談する必要はない

また、糖質制限については、お医者さんや栄養士さんの指導を受けて取り組まないといけないとの情報もよく目にしますが、そんなことはありません。糖尿病の人が血糖値を下げる薬を服用している場合は、お医者さんに相談する必要がありますが、健康な人が糖質制限をするのにお医者さんや栄養士さんに相談する必要などありません。

むしろ、糖質の摂り過ぎの方が健康に良くないのですから、米や小麦を食べて良いかをお医者さんや栄養士さんに相談すべきでしょう。

しかし、そもそも糖質制限に詳しいお医者さんや栄養士さんがどの程度いるのかわかりませんし、糖質制限をしていないお医者さんや栄養士さんに相談したところで、まともな答えが返って来るとは思えません。

それに栄養士さんは栄養のプロですが、お医者さんは栄養の素人なのですから、お医者さんに食事の相談をしても仕方ないですよね。お医者さんに相談するにしても、糖質制限をしているお医者さんを選ぶ必要があります。

糖質制限は、随分と広まってきていますが、まだ特別なことのように思っている人が多いです。

それが、1日の糖質必要量は130グラムだといったまちがった情報が発信される理由なのでしょうね。