糖質制限で体調不良になった話はにわかに信じがたい

先日、「ザ・世界仰天ニュース」を見ていたら、糖質制限ダイエットで体調不良になったお医者さんの話が紹介されていました。糖質制限ダイエットを続けていたら、頭がボーっとするようになったとか、体臭がきつくなったとか、様々な不調が続き、最終的に起床しようと思っても起き上がれなくなり病院に行ったら中性脂肪が高くなっていて、体調不良は糖質制限ダイエットの影響だったのだろうということになっていました。

そうかもしれないけど、糖質制限を長年続けている身としては、ちょっと信じられないなと思います。

それも糖質制限

そのお医者さんは、過度な糖質制限をやめて体調が良くなったそうで、現在の食事内容も紹介されていました。食事内容を見た感じだと、1日の糖質摂取量は100グラム程度のようでした。

それも糖質制限ですよね。

そのお医者さんは女性だったのですが、1日の摂取カロリーを1,600kcalとした場合、その6割を糖質から補給するとなると240グラムの糖質摂取が必要になります。糖質摂取量が100グラムだと400kcalですから、総摂取カロリーの25%しか糖質でまかなっていません。

これは、江部康二先生が提唱しているスタンダード糖質制限くらいの糖質摂取量ですね。ちなみにスタンダード糖質制限は、1日3食のうち2食について糖質を抜く食事です。そのお医者さんも、糖質制限自体を否定しているようではなく、過度に糖質を抜きすぎると体調を崩す危険があるから注意しましょうといった感じでした。

糖質制限をすると、全体の食事量まで減らしてしまうことがあり、それが原因で、番組で紹介されていたお医者さんも体調が悪くなった可能性があります。糖質制限は、糖質をタンパク質や脂質に置き換える食事なんだと考えると、全体の食事量を減らしてしまうことがなくなりますよ。

野菜を先に食べる食事も紹介されていた

番組では、野菜を炭水化物より先に食べる食事で血糖値の上昇を抑えられることも紹介されていました。今となっては、過去のものとなったベジファーストや食べる順番ダイエットですが、番組では、野菜を先に食べると血糖値の急激な上昇を抑えられていました。

野菜を先に食べると、その後で食べたものの消化吸収が悪くなるから、糖質を摂取しても血糖値が急激に上昇しなくなるんだろうと思うんですよね。野菜を食べるとミネラルの吸収が悪くなることはよく知られています。

ネットを見ていると、ベジファーストは無意味ではないといったことをいまだに言っている人がいます。ベジファーストのおかげで、野菜をたくさん食べる習慣ができて健康意識が高まったはずだと言っているのですが、そもそも野菜を食べることが健康的と決めつけているのはどうなんでしょうね。植物の細胞を覆っている細胞壁はセルロースでできていますが、ヒトはそれを分解する消化酵素セルラーゼを持っていません。だから、野菜を食べたところで、大して栄養補給できないと思うのですが。牛だって植物を消化できませんよ。

血糖値を上げたくない、太りたくないと言うのなら、糖質摂取量を減らす方が野菜を先に食べるよりも効果的です。そもそも血糖値が上がらないのですから。