コレステロールの摂取を控える必要なし!卵から良質なタンパク質をしっかり補給しよう。

2015年2月20日の時事ドットコムの記事で、米厚生省と農務省が設置した「食事指針諮問委員会」が「食事によるコレステロール摂取と(動脈硬化などの病気の危険を増すこともある)血清コレステロールの間に明らかな関連性はない」とする報告書を公表したことが報じられました。

これまで卵や肉など、コレステロールを多く含む食品を食べると血中のLDL(悪玉コレステロール)を増加させ、様々な生活習慣病の原因となるから控えましょうと言われてきました。でも、この報告書が公表されたことで、今後は、何も気にせずコレステロールを食物から摂取できるようになりますね。

何十年も前からわかっていたこと

食物に含まれるコレステロールが、血中のLDLに影響を与えないことは、もう何十年も前から言われていたので、どことなく今回の報告書には、いまさら感を感じます。

でも、こうやって間違いが正されたのですから評価しましょう。

このブログでも、過去に何度も卵を食べてもLDLの値が上がることはないと述べています。私が勝手にそう言ってるのではなく、分子栄養学の三石巌先生も生前に卵を食べてもコレステロール値を上げないと指摘していました。このような指摘は、三石先生だけでなく、他の科学者や医師の方も述べていたんですけどね。

それなのに間違いが約100年も放置されていたのですから驚きです。

そもそも卵を食べるとコレステロール値が上がると言いだしたロシアの医師も、卵を食べることとコレステロール値との間に因果関係がないことを知っていたと思うんですよね。それなのに無理やりウサギに卵を食べさせて、血中のコレステロールが増えたと言いだし、それが医学常識になってしまったのですから、この医師の行為は非常に罪深いと言えます。

コレステロール値が下がるとうつになりやすい

コレステロールは、そもそも人体にとってなくてはならないものです。

特に脳と心の健康に欠かせない栄養素だと、生化学、医学、雑学などライフサイエンスを中心とする執筆活動をしている生田哲先生は指摘しています。著書の「食べ物を変えれば脳が変わる」から該当箇所を以下に引用します。

コレステロールは、脳に大量に存在し、神経細胞の膜を適度な硬さに保っているのだ。
しかも、コレステロールは生体でモデルチェンジされて男性ホルモンのテストステロン、女性ホルモンのエストロゲン、そしてストレスに打ち勝つコルチゾールがつくられている。
テストステロンは男女ともにやる気をひきこす。エストロゲンは女性の気分を高める。だから、コレステロール値が下がると、男女ともうつになりやすい。これで、自殺者にコレステロール値の低い人が多いことも説明がつく。(71~72ページ)

この文章を読むだけでも、いかにコレステロールが人間にとって重要かわかりますよね。

それなのにコレステロール値が高いという理由で薬でそれを下げようとするのは、どうなのでしょうか?脳の働きが悪くなるような気がしますし、そのような薬を常用していれば、しだいに心が沈みがちになってしまうと思うのですが。

また、コレステロールが女性ホルモンのエストロゲンになるのですから、むしろ、積極的に食べ物から摂取すべきではないでしょうか?女性ホルモンは若さを保つために大切だと言われていますよね。それなら、コレステロールをしっかりと食事から摂取しておいた方が、アンチエイジングの観点からも望ましいでしょう。

筋肉をつけるために卵は重要

スロートレーニングに限らず、筋トレをしている人は、筋力アップを目的としているでしょうから、筋肉の材料となるタンパク質をしっかりと補給しておきたいですね。

でも、これまではコレステロールのことを気にして、卵や肉のような良質のタンパク質を補給することを敬遠していた方もいらっしゃるでしょう。しかし、これからは、もう食べ物に含まれるコレステロールのことを気にする必要はありません。

プロテインスコアの高い卵、豚肉、鶏肉、牛肉から良質なタンパク質をしっかりと摂取しましょう。おまけにコレステロールもたくさん補給できるのですから、脳の健康とアンチエイジングの観点からも、これらの食品は控えるどころから、積極的に食べたいですね。

米厚生省と農務省が設置した「食事指針諮問委員会」の報告書が公表されても、おそらく日本では、これからもしばらくの間、コレステロールの多い食品は健康を害すと言う人は減らないでしょうね。科学は日々進歩しているのに100年前の実験結果を信じつづけて、コレステロールは悪だと言い続けるに違いありません。

そのようなことを言う人には、気をつけないといけませんね。

参考文献