緩やかな糖質制限では体の変化を実感しにくいよ

一口に糖質制限と言っても、やり方は様々です。

京都高雄病院の江部康二先生は、スーパー糖質制限、スタンダード糖質制限、プチ糖質制限の3段階の糖質制限を提案されています。それぞれの糖質制限のやり方は以下の通りです。

  • スーパー糖質制限=3食全てで米やパンなどの主食を抜く
  • スタンダード糖質制限=3食のうち2食を主食抜き
  • プチ糖質制限=3食のうち1食を主食抜き

上記3つの糖質制限は、その人のライフスタイルに合わせて好きなようにやれば良いと思います。でも、糖質制限による体の変化を早期に実感したいのであれば、スーパー糖質制限を実践することをおすすめします。

中途半端な糖質制限では懐疑心が生じるだけだよ

スーパー糖質制限では、主食を一切食べませんし、1食当たりの糖質摂取量を20グラム未満に抑えますから、1日の糖質摂取量は60グラム未満と、かなり少なくなります。

ところが、1食だけ主食を食べる場合、その食事だけで100グラムほどの糖質を摂取するので、後の2回の食事で糖質を20グラム未満に抑えても、1日当たりだと140グラム未満の糖質摂取量となります。スタンダード糖質制限とは言え、スーパー糖質制限の2倍以上の糖質摂取量ですから、身体的効果はそれほど高くなさそうですね。

ましてやプチ糖質制限だと、1日に200グラムほどは糖質を摂取するでしょうから、もはや高糖質食の部類に入ります。

医師の清水泰行先生が書かれているブログ「ドクターシミズのひとりごと」の下記記事で、緩やかな糖質制限を36ヶ月続けた2型糖尿病患者の方のHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)、LDL、HDL、中性脂肪の推移が掲載されています。

HbA1cは、過去2ヶ月くらいの血糖値の平均の目安となるもので、基準値は4.6~6.2%です。この数値よりも高いと、過去2ヶ月の血糖値が高めだったと予測できます。そして、6.5%以上となると、お医者さんから糖尿病と言われます。

上記記事に掲載されているのは、1日70~130グラムの糖質摂取を認める緩やかな糖質制限を2型糖尿病の方が行った結果です。介入前のHbA1cが「8.0±1.5%」だったのに対して、36ヶ月後は「7.5±1.3%」という結果で、それほど改善していません。

その他の項目も、微妙な変化です。

緩やかな糖質制限だと、目に見える効果が出るほどの血糖コントロールはできないんでしょうね。そして、緩やかな糖質制限の結果を見た人は、「糖質制限では血糖値が改善しない」と思うはずです。

中途半端な糖質制限では、その効果に懐疑心を抱くだけでしょう。

変化を感じたいならスーパー糖質制限

糖質制限で身体的変化を実感したいなら、スーパー糖質制限をするしかないでしょう。

スーパー糖質制限をすれば、良くも悪くも身体的変化に気づきます。

良い変化だと、「体重が減る」とか「体脂肪率が下がる」とかですね。

悪い変化は、私の場合だと「肌の乾燥」とか「筋肉の疲労感」でした。でも、これらも脂質やタンパク質の摂取量が少ないことが原因だと気付いたので、バターを食べるとか水切りヨーグルトにプロテインを加えるとかして、脂質とタンパク質の摂取量を増やしたら改善しました。夏場は、ところテインもありですね。

プロテインは、筋トレオタクが飲むものだと思いがちですが、タンパク質摂取にはとても便利です。プロテインスコアが極めて低いコラーゲンドリンクや胃液で消化されてただのタンパク質になる酵素ドリンクを飲むくらいなら、プロテインをおすすめします。

私は近所のドラッグストアでザバスのココア味を買うことが多いのですが、1食当たりの糖質量が3グラム未満なのに甘く感じます。甘味はなくても良いのですけどね。でも、糖質制限を始めたばかりの人だと、甘い物が欲しくなった時にプロテインは役立つと思いますよ。

糖質制限をして悪い結果が出た時、そこでこれまでの高糖質食に戻るのは、その人の自由です。でもね、緩やかな糖質制限をして良い結果が出なかったからといって「糖質制限はダメだ」と言うのはやめて欲しいです。

スーパー糖質制限で体調が悪くなった時も、主食を抜いて食事量が減り単に栄養不足に陥っているだけという人は多いはずです。ここで、栄養学の本を読めば、一気に栄養に関する知識を吸収できます。

別にスーパー糖質制限をしたくなければしなくてもいいですが、中途半端な糖質制限をして思った結果が出ずに「糖質制限は危険だ」と言いふらすのはやめてね。

参考文献