世界糖尿病デーは糖尿病の原因も予防法も伝えていない

毎年11月14日は、世界糖尿病デーです。日本国内では、全国のランドマークが青色にライトアップされますね。

この日は、1921年にインスリンを発見したカナダ人医師のフレデリック・バンティングの誕生日で、2006年に国連が世界糖尿病デーと定めました。世界的に糖尿病患者の数は増加傾向にあり、その治療や予防の重要性を啓発することが世界糖尿病デーの趣旨だそうです。

でも、日本国内で糖尿病の予防方法は、国民に全く伝わっていないように思います。不摂生をするから糖尿病になるんだと思っている人がほとんどじゃないですか。

ノー炭水化物デーに名称変更した方が効果的

糖尿病は、すい臓のβ細胞が壊れて血糖値が下がらなくなる病気です。

これを理解している人は、おそらく少数だと思います。

「太ってるから血糖値が上がる。だから、痩せれば糖尿病は治る」と思っている人が多いのではないでしょうか?

しかし、糖尿病は痩せていても発症します。β細胞が壊れると血糖値を下げる作用をするインスリンが分泌されなくなります。だから、痩せていても、β細胞が壊れてしまえば糖尿病を発症するのです。

β細胞は、すい臓にたくさんありますから、1個や2個壊れても血糖値を下げられなくなるということはありません。でも、β細胞が壊れていくほど血糖値が下がりにくくなりますから、ちょっとくらい壊れても大丈夫だと思っていると、いつの間にか多くのβ細胞が破壊されていることもあるでしょう。

β細胞が破壊される原因は、炭水化物(糖質)の頻回過剰摂取です。糖質を摂取すれば、誰だって血糖値は上がります。糖質を摂取しても血糖値が上がらないという人は、消化管の機能がおかしくなって糖質を体内に吸収できなくなっているので、それはそれで問題があります。まあ、そんな人は滅多にいないでしょうけどね。

糖質が体内に吸収されると血糖値が上がります。血糖値が上がれば、β細胞はインスリンを分泌して血糖値を下げます。インスリンがしっかり分泌されているうちは、糖質を摂取しても数時間後に血糖値は100mg/dl未満の正常値まで下がります。

ところが、毎日3度も米やパンなど糖質が多く含まれている食品を食べていると、β細胞に負担がかかります。その負担に耐え切れなくなったβ細胞は死んでしまいます。そして、死んだβ細胞は生き返らないとされています。だから、糖尿病は不治の病と言われているんですね。

糖尿病予防のためには、まず炭水化物(糖質)の摂取量を減らさなければなりません。

世界糖尿病デーを「ノー炭水化物デー」に改称した方が糖尿病の予防には効果的でしょう。

糖質摂取が血糖値を上げることを伝える

世界糖尿病デーと言いながら、「β細胞を酷使する糖質摂取を控えましょう」とは言いません。

おかしな話ですね。

「不摂生をして肥満した結果が糖尿病だ。自業自得だろう」

と思っている人が多いでしょうから、ほとんどの日本人が、茶碗1杯の白米や食パン1枚でもβ細胞を酷使していることに気づきません。糖質摂取が、血糖値を上げてβ細胞がインスリンを分泌することを伝えなければ、糖尿病になる人を減らすことは不可能です。