夏は暑い。当たり前のことですが。
日焼けすると、さらに暑さが増しますね。
海水浴などで、体を焼くと、その夜は日焼けした部分の熱が全然下がらない感じで、寝苦しくなりませんか。体が火照っているというのか、日焼けした皮膚がヒリヒリし、睡眠どころではなくなります。
だから、できるだけ日焼けしない方が、夏は快適に過ごせます。でも、日中に外を歩いているだけで、首の裏が日焼けしますから、ある程度の日焼けはやむを得ないですね。
日焼けするとメラニンが合成される
日焼けは、紫外線を浴びることで、体内でメラニンが合成されて起こります。メラニンが増えれば増えるほど、皮膚は黒くなっていきます。
だから、日焼けしたくなければ、紫外線を浴びないことが最善の策となります。
ところで、メラニンは、何から作られるのでしょうか?
その原料となるのは、アドレナリンとドーパです。アドレナリンは、筋トレをすると分泌されやすいホルモンで、中性脂肪を分解する作用がありますね。ドーパは、快楽物質のドーパミンやノルアドレナリンの前駆体です。
これらアドレナリンやドーパが日差しを浴びると、メラニンに変わってしまい、皮膚を黒くするわけですね。
別に肌が黒くなっても構わないと言えば構わないのですが、メラニンの原料であるドーパは、チロシンというアミノ酸から合成されるのが困りものです。
アミノ酸はタンパク質を構成する成分で20種類あります。そのうち11種類は体内で合成できる非必須アミノ酸であり、チロシンも非必須アミノ酸です。しかし、チロシンは、体内で合成できない9種類の必須アミノ酸の中のフェニルアラニンから作られるので、必須アミノ酸に近い性格を持っています。
タンパク質は、20種類のアミノ酸が不足なく揃っていなければ作られないので、日焼けをしてチロシンからメラニンが多く合成されていると、チロシンひいてはフェニルアラニンが不足する可能性があります。だから、日焼けしやすい夏場こそ、タンパク質を多めに摂取しておいた方が良いですね。
ビタミンCも多めに摂っておく
日焼け対策には、ビタミンCが有効だと聞いたことがある人は多いと思います。
ビタミンCには、メラニンの合成を阻止する働きがあるので、そう言われているんですね。三石巌先生の著書「ビタミンC健康法」にも、その点について触れている箇所があります。
アドレナリンは副腎髄質から分泌される≪神経ホルモン≫であり、ドーパは神経ホルモンのノルアドレナリンの前駆物質である。ビタミンCには、このアドレナリンやドーパがメラニンになる反応を阻止する作用がある。さらにまた、濃色のメラニンを淡色のメラニンに変える作用がある。
いずれにしても、ビタミンCには、メラニン生成を阻害し、またできた色素を還元してその色を薄くする作用があるのだから、これに日焼け止めの効果があることは確かである。ただ我々は、それに必要なビタミンCの量を知らない、というだけのことである。(55ページ)
ビタミンCがメラニン生成を阻害するということは、夏に多めに摂取しておけば、チロシンやフェニルアラニンがメラニン合成に使われにくくなり節約できる可能性があります。
夏場は、暑さで体が負け食が細くなる人もいます。そんな人は、タンパク質が不足しがちになりますから、ちょっとでもチロシンやフェニルアラニンを節約できるようにビタミンCを多めに摂っておいた方が良さそうですね。
ただ、三石先生もおっしゃっているように日焼け止めに効果的なビタミンCの量がどの程度なのかはわからないようです。それなら、大量に飲むしかないでしょう。ビタミンCは摂りすぎると下痢をします。下痢をしたところで、必要量を超えたということですから、下痢をしない程度にビタミンCを摂取するようにしましょう。
ビタミンCは、単発的に摂っても数時間後には体外に排泄されます。だから、ビタミンCの血中濃度を高く保つためには連鎖的に摂取する必要があります。まあ、サプリメントでビタミンCを適当に摂っても、それなりに日焼け対策はできるでしょうけどね。普段の食事で多めにビタミンCを摂ることを心がけても大した量を補給できませんから、手っ取り早くサプリメントを使った方が良いでしょう。
とりあえず、日焼け対策には、極力紫外線を浴びないこと、そして、タンパク質多め、ビタミンC多めを意識することですね。