9月に入り、全国的に新型コロナウィルスの勢いが弱くなってきました。東京はすでに8月中旬にはピークを迎え、大阪府も8月下旬にピークとなっています。
これからは、陽性者数が減っていくと予想されるのですが、大手メディアは、まだまだ新型コロナウィルスの恐怖を煽り続けています。ワクチンが効かなくなるとか、新たな変異種が見つかったとか。これまでのデータを見る限り、ワクチンは効いていますし、新たな変異種が感染を拡大させているようにも見えません。
日本は、すでにコロナ禍が終わっているのに認めたくない人が多いようです。
新規陽性者数の増加の内訳
1月13日から9月3日までの陽性者の増加数を確認していきましょう。なお、データは、大阪府の「新型コロナウイルス感染症患者の発生状況について」のページから取得しています。
まずは、経路別の新規陽性者数の増加表です。
増加が著しいのは、感染経路不明と感染経路不明者の濃厚接触者等くらいで、その他は大きく増加していません。特に医療機関は、陽性者がほとんど発生しなくなっています。
次に年代別の陽性者の増加表です。
デルタ株が流行しだして、20歳未満の陽性者が増えています。一方で、ワクチン接種をほとんどの人が終えた高齢者世代では、陽性者数が増えにくくなっています。
1月13日から9月3日までの新規陽性者の推移です。
9月4日に3,004人となり、朝日新聞が大騒ぎしていましたが、これは、集計が遅れて増えただけのような気がしますね。8月31日が火曜日でしたが、いつもの火曜日なら陽性者数が大幅に増えるところ、8月31日はあまり増えませんでした。だから、9月1日に8月31日分の陽性者数が持ち越されて計上されたのではないかと思います。
その後は、9月2日が2,501人、3日が2,305人と前の週と比較して順調に減り続けています。
こちらは、検査数の推移です。
8月下旬から検査数が増加傾向です。
そして、1月13日から9月3日までの1週間平均の陽性率の推移です。
順調に低下しています。
9月3日には12.0%、単日だと9.7%まで陽性率が下がっていますから、感染が落ち着き始めているのがわかります。
経路別と年代別の陽性者の推移
経路別と年代別に陽性者の推移を見ていきましょう。
まずは経路別の陽性者の推移です。
感染経路不明も感染経路不明者の濃厚接触者等も順調に減少しています。
上のグラフから、医療機関、施設、「他」を取り出したのが以下のグラフです。
「他」には、職場や学校などが含まれていますが、8月下旬から一気に減少し始めています。
施設も、減少していますね。
医療機関は、7月から低い水準を維持しています。医療従事者と高齢者のワクチン接種の効果が持続していると考えられます。ワクチンは、デルタ株に効きにくいとか、効果が短いとか噂されていますが、このグラフからは、そのような傾向は見られません。
次に年代別の陽性者の推移です。
60歳以上の世代でも陽性者数が増加していますが、他の世代と比べると、かなり少ないです。20代以下が1,400人を超えている日でも、60歳以上は200人程度の陽性者数です。ここからもワクチンが効いていることがわかります。
上のグラフから60歳以上を取り出したのが以下のグラフです。
60代は5月に近い水準まで増加しましたが、70歳以上の世代ではそこまでの増加は見られません。60代は64歳以下のワクチン接種が進んでいないので、70歳以上の世代よりも陽性者数が増えています。それでも、60代も8月下旬から減少傾向にあります。
年代別陽性者の累計です。
これを見ると、60歳以上の世代の陽性者数が大して増加していないのがよくわかります。
重症者の状況
重症者の状況を見ていきましょう。
下は、1月13日から9月3日までの重症者残留数の推移です。
新規の重症者がまだ増加しているので、重症者残留数も増え続けています。
一方で、重症解除者数が9月に入ってから少なめです。
9月3日時点の重症者残留数は254人です。感染がピークを過ぎたので、新規重症者数もこれから減っていくでしょう。重症者残留数は今がピークだと思われます。
3月24日から9月3日までの重症者回転期間の推移です。
先週までは順調に短くなっていた回転期間ですが、9月に入り、グラフが上昇し始めています。重症者残留数の増加が8月までよりも激しくなったことが理由ですね。
それでも、重症者回転期間は、これから下がっていくと予想します。
死亡者数
死亡者数も確認しておきます。
1月13日から9月3日までの毎日の死亡者数です。
9月1日は、12人の死亡が報告されました。死亡者数が10人を超えるのは久しぶりです。
この日は陽性者数も大幅に増加しており、それと合わせて考えると、死亡者数の報告も遅れていたのではないかと思われます。内訳を確認したところ、8月中旬から8月末までの死亡が9月1日に報告されていましたからね。
ただ、2日と3日も、これまでと比較すると、死亡者数がやや多めです。このところ、80歳以上の死亡者が多くなりつつあります。
1月13日から9月3日までの死亡者数は2,125人です。その内訳は以下の通りです。
20代は1人、30代は10人、40代は30人、50代は88人です。
この1週間で、30代が3人、40代が3人増加しています。40代は先週も5人の死亡が確認されているので、ちょっと気になります。
テレビで、東京はデルタ株が90%以上を占めているのに対して、大阪は79%だと報じていました。デルタ株は従来株より、明らかに毒性が弱いので、大阪も早くデルタ株の割合が100%に近づいてくれれば、致死率が下がるのですが。
でも、テレビでは、デルタ株は危険だとしか言いません。確かにデルタ株の感染力は強いですけどね。とにかく、毒性の弱いデルタ株に置き換わることは良いことです。
なお、1月13日から9月3日までのコロナウィルスの陽性者の推定生存率は以下の通りです。
- 90歳以上:73.8%
- 80代:82.8%
- 70代:91.8%
- 60代:97.9%
- 50代:99.5%
- 40代:99.86%
- 30代:99.95%
- 20代:99.99%
- 10代以下:100.0%
先週より、30代の推定生存率が0.01%下がりましたが、他の世代は、上昇か現状維持です。30代は、推定生存率が下がったと言っても、陽性者2,000人に1人が死亡する程度ですから、それほど怖がる必要はありません。