インスリンレベルを下げることで新型コロナウィルスの重症化を予防できる可能性がある

先日、江部康二先生のブログに興味深いことが紹介されていました。

この記事では、インスリンレベルが高いと新型コロナウィルスに感染したときに重症化しやすくなると書かれています。それなら、インスリンを不必要に分泌させない生活をしていれば、新型コロナウィルスに感染しても、重症化せずに乗り切ることができそうです。

インスリンレベルを簡単に下げる方法は糖質制限

江部先生のブログでも述べられていますが、インスリンレベルを簡単に下げるには糖質制限が有効です。

インスリンは、糖質やタンパク質を食べると、すい臓のβ細胞から追加分泌されます。特に糖質を摂取したときに多くのインスリンが分泌されますから、無駄にインスリンを分泌させないようにするには、普段から糖質を控える食事をしなければなりません。

糖質は、米、小麦、果物、砂糖、イモ類に多く含まれています。これらの食品をできるだけ食べないようにすれば、血糖値が上がりませんから、インスリンレベルが上がることはありません。ただ、ストレスでも、血糖値は上がりますから、糖質を控えるだけでなく、自分に合ったストレス解消法を身に着けることも大切です。

とりあえず、簡単にインスリンレベルを下げる方法としては、糖質制限が最強です。

ウィルスはオートファジーでもやっつけられる

インスリンレベルが高いとオートファジーの働きが抑制されることも、ウィルスとの戦いに不利となります。

オートファジーは、細胞が、自らの細胞内の小器官を食べて飢餓から身を守る機能です。このオートファジーは、他にも細菌やウィルスに細胞が感染した場合に活躍します。

細胞が細菌やウィルスといった病原体に感染すると、T細胞が細胞ごと病原体を破壊します。これを細胞性免疫といいます。さらに細胞に感染した病原体は、オートファジーによっても分解されることがわかってきています。ただ、ウィルス感染については、ウィルスの分解と増殖の両方に役立っているようですから、オートファジーが逆にウィルスの増殖を助けてしまう可能性もあります。

さて、オートファジーは、以前にも紹介したようにインスリンが分泌されると働きが抑制されます。

先ほどの江部先生の記事では、インスリンレベルが高いと新型コロナウィルスが細胞に感染しやすくなると紹介されていましたが、インスリンレベルが高いことは、オートファジーが抑制され病原体が分解されにくくもなりますから、どちらの意味でもインスリンの無駄な分泌は感染症に対して不利になると言えそうです。

肥満の人ほど、新型コロナウィルスに感染すると重症化しやすいと言われていますが、その背景には高インスリン血症があると考えられそうです。

生活習慣病の予防だけでなく、感染症予防にも、糖質の過剰摂取はやめた方が良いですね。

参考文献