最近は、糖質の摂り過ぎは健康に良くないということが知られるようになっています。肥満も、糖尿病も、その他の生活習慣病も、大概が糖質の摂り過ぎが主な原因でしょうね。
また、脂質の摂り過ぎも健康に良くないと言われており、これは、もう何十年も前から変わっていません。糖質も脂質も控えなければならないとなると、体内でエネルギーを作る材料はタンパク質とアルコールだけになってしまいます。さすがにアルコールを主要なエネルギー源にすることはできないので、タンパク質ばかりを食べる生活をしなければなりません。
それはさすがに難しいので、糖質か脂質のどちらかは、エネルギーを作り出すために食べる必要があります。
脂質中毒は糖質中毒じゃないのか
集英社オンラインの以下の記事では、脂質中毒の危険性が解説されており、脂質の摂り過ぎは良くないよと警告しています。
糖質制限をしている人ほど、脂質中毒の危険があるとのことです。私は、10年近く糖質制限をしているから脂質中毒になっているかもしれませんね。上の記事では、脂質中毒になっているかどうかをチェックする項目があります。以下の13個の質問に回答し、YESが6個以上なら脂質中毒の可能性大、10個以上なら脂質中毒確定とのこと。
- 1日2食以上揚げ物を食べている
- 和菓子より洋菓子が好き
- 魚料理よりも肉料理が好き
- 食後のデザートや風呂上がりのアイスクリームは欠かせない
- 夜食や間食をとる習慣がある
- 焼き肉は赤身よりカルビが好き
- 塩ラーメンよりもとんこつラーメンが好き
- 柿の種よりもポテトチップスが好き
- お腹がいっぱいでも好きなものは別腹
- 退屈になると何かを食べる・食べてしまいたくなる
- ストレスがあると何かを食べる・食べてしまいたくなる
- コロナ渦でデスクワークの時間が2時間以上増えた
- 20歳の頃よりも体重が5kg以上増えた
私は、上の質問のうち、3と5がYESでした。YESが2~5個の場合は、脂質中毒予備軍だそうです。
上の質問は、ほとんどが糖質中毒のチェックリストじゃないですか?糖質中毒と関係のない項目は、5、6、9、10、11、12の6項目くらいです。2の和菓子と洋菓子の比較なんて、どちらを選んでも糖質中毒ですよ。8の柿の種とポテトチップスの比較も、どちらを選んでも糖質中毒じゃないですか。
純粋に脂質中毒かどうかを訊ねている項目は、3と6だけです。これでは、脂質中毒かどうかを判定するのは難しいと思うのですが。
糖質が中性脂肪に変わるんだから糖質制限をしていれば脂質中毒なんて気にしなくて良かろう
脂質が悪者扱いされるのは、体に中性脂肪が蓄積している状態が健康に良くないからなのでしょう。
しかし、その蓄えた中性脂肪は、脂質由来のものなのでしょうか?
体内の中性脂肪は、摂取した糖質からも作られます。大平万里先生の著書『「代謝」がわかれば身体がわかる』によれば、余剰の糖質が体内に100グラムあれば、28グラムの中性脂肪に変わるそうです。この数字は概算なので、必ずしもこのようにはならないでしょうが、糖質の摂り過ぎが、肥満の原因であることは疑いようがありません。
和菓子も洋菓子も、塩ラーメンも豚骨ラーメンも、柿の種もポテトチップスも、どれを選んでも大量に糖質を摂取することになるので、体内への中性脂肪の蓄積を避けることはできません。
一方、糖質制限をしていれば、体内で糖質の余剰は発生しないので、中性脂肪の蓄積はそうそう起こりません。糖質制限をして脂質中毒になったところで、生活習慣病の危険性は、高糖質食を食べている人よりも低いはずです。
糖質制限をせずに脂質をたくさん食べると、糖質と脂質のダブルパンチで、体内に中性脂肪が蓄積しやすくなりますから、肥満や生活習慣病を予防するなら、糖質の摂取量を抑える努力をすべきでしょうね。