加齢とともに成長ホルモンの分泌量が減って太りやすくなる

人間の成長にとって重要な働きをしている成長ホルモンは、脂肪分解ホルモンとも呼ばれています。その名の通り、体に蓄えた中性脂肪を分解する役割を持っているのですが、残念ながら、加齢とともに分泌量が減っていきます。

成長ホルモンの分泌量が減ると、中性脂肪がなかなか減らなくなるので、年を重ねるごとに太りやすくなっていきます。だから、若い時の体型を維持しようとするなら、成長ホルモンの分泌量に合わせて、中性脂肪が体に蓄積されない食習慣に変えていく必要があります。

中性脂肪が増えるのは糖質の摂り過ぎ

体に中性脂肪が溜まっていく最大の原因は、糖質摂取です。

糖質を摂取すると、血糖値が上がります。上がった血糖値は元の状態に戻す必要があり、そのためにすい臓からインスリンが分泌されます。インスリンの作用で血糖値は下がりますが、その代償として、血糖は中性脂肪となって脂肪組織に蓄えられます。これが、人間が太る仕組みです。インスリンが、別名肥満ホルモンと称される理由がここにあります。

若い時は、寝ている間に成長ホルモンがたくさん分泌されるので、糖質を摂取しても、中性脂肪の蓄積は少なくて済みます。しかし、年をとっていくと、成長ホルモンの分泌量が減るので、糖質摂取で蓄積した中性脂肪を分解しきれず、脂肪組織に残してしまいます。

だから、若い時と同じ量の糖質を摂っていると、徐々に中性脂肪が溜まっていき、やがて肥満することになります。

若い時と同じ体型を維持するためには、成長ホルモンの分泌量減少に合わせて糖質摂取量も減らすことです。でも、糖質摂取量を減らすだけだと、食事量も減ってしまうので、代わりにタンパク質や脂質を多く食べるようにします。具体的には、肉、卵、魚ですね。脂質を食べると太ると思う人もいるでしょうが、脂質を食べてもインスリンは分泌されないので、中性脂肪が脂肪組織に溜まっていくことはそうそうありません。さすがに食べすぎると太りますが、糖質と比べると大したことはありません。

成長ホルモンの分泌を促すためにスロトレをする

糖質制限の他にも、中性脂肪を貯めにくくする方法があります。それは運動です。

運動をすると、成長ホルモンの分泌量が増えるので、何もしない場合よりも中性脂肪の分解が進みます。特に高強度の筋トレをすると、大量に成長ホルモンが分泌されますから、ジムに通ってバーベルを上げていればダイエットできます。

でも、ハードな運動は苦手だという人には、ジム通いは厳しいですよね。

運動が苦手な人は、軽い負荷でも成長ホルモンを大量に分泌させることができるスロートレーニングがおすすめです。

スロートレーニングは、ゆっくりと筋トレをすることです。筋トレと言っても、バーベルなどの器具は不要で、スクワット腕立て伏せといった自重でできるメニューばかりですから、誰でも、すぐに始められます。

スロトレは、体を持ち上げる動作に3秒、体を下ろす動作に3秒、次の動作に移る前に1秒停止します。スクワットだと、膝を曲げた状態からスタートし、膝を伸ばしていくのに3秒、膝を曲げていくのに3秒、再び膝を伸ばす前に1秒停止します。これを1回として、1セット5回から10回行います。

他に注意しなければならないのは、関節を伸ばし切ったり曲げ切ったりしないことです。中途半端に関節が曲がっている状態を維持することで、筋肉に力が入りっぱなしになります。そうすると、血流が悪くなり、脳はハードな運動をしていると勘違いし、成長ホルモンの分泌を始めます

スロトレ後の成長ホルモン分泌による脂肪分解効果は5時間ほど続きますから、その間に家事をしたり、買い物に行ったりして、こまめに体を動かせば、中性脂肪を効率的にエネルギー利用できます。今までの生活習慣にスロトレを加えるだけで、体に蓄えた中性脂肪が減りやすくなりますから、ぜひ試してください。

年をとるにしたがって太ってきていると感じている方は、糖質制限を始めましょう。そして、できる範囲でスロトレもすれば、若い時の体に早く戻すことができますよ。