この前、とある神社の境内を歩いていると、痩せ細った野良ネコがいました。
生後3ヶ月くらいだと思いますが、体長は大人のネコより少し小さいくらいです。
近くに寄っても逃げることなく、それどころか足元にすり寄ってきました。どうやら人に慣れているようです。しかし、飼いネコということはなさそうです。
その野良ネコの痩せ具合は、かなりのもので、足は骨と皮しかないくらい、体は板のように平べったく、腰の厚みは2cmほどしかなかったのではないでしょうか。とにかく、こんなに痩せていて生きているのが不思議なくらいでした。
でも、じっくりそのネコを観察していると、あることに気づきました。
それは、毛艶が良いことです。
サーチュイン遺伝子が働いている
ネズミなどの動物実験で、食事の量を4割減らすと1.5倍長生きするという結果が出ています。
これは、空腹を感じるとサーチュイン遺伝子という延命遺伝子が働くことが理由とされています。サーチュイン遺伝子は、細胞内にある遺伝子をチェックして壊れている遺伝子があると修復します。
また、サルでの実験で明らかになったのは、食事量を4割減らすと毛艶が良くなり、皮膚に張りが出るということです。逆に食事制限をしなかったサルは、毛が抜け、皮膚もたるみ老化が進みました。
野良ネコの毛艶が良かったのは、もしかしたら空腹でサーチュイン遺伝子が働いたことが理由なのではないでしょうか。
触ってみても毛がボサボサした感じはなく、毛並みも良いです。顔には目ヤニも付いていません。痩せていること以外は特に問題なく健康そうです。
体が成長しているのも空腹が理由なのか?
その野良ネコをさらに観察していると、痩せてはいるものの体は大きくなっているように見えました。もちろん、その日1回しかネコを見ていないので、以前の状態はわかりませんが、どうも体が成長を続けているように見えます。
体を育てる成長ホルモンは、睡眠時、空腹時、筋トレ後に分泌されることを以前の記事で紹介しました。
しっかりと栄養を取らなければ体は成長しないように思えますが、もしかしたら空腹状態が長く続いたことで成長ホルモンがたくさん分泌され、ネコの体が大きくなっていたのではないでしょうか。
私は学者ではないので、野良ネコが痩せていても毛艶が良く、体が成長している理由を断定することはできません。
でも、痩せ細っている野良ネコを見ていると、太りすぎている方が何かと病気にかかりやすいのではないかと思いました。そのネコは、特に動けないほど弱っているというわけではなく、むしろ歩く動作は、力強さはありませんでしたが、普通のネコとなんら変わることはありませんでした。
きっと、動物は、飢えに強くできているんでしょうね。
そのネコには、神社の方に見つからないようにコンビニで買ったエサをこっそりとあげておきました。