スロートレーニングに関わらず筋トレをしていると筋肉が太くなります。
当たり前といえば当たり前なのですが、なぜ筋トレをすると筋肉が太くなるのでしょうか。そんなことをあまり意識している人はいないと思いますが、トレーニングで筋肉が太くなる仕組みを簡単に説明します。
核が増えた後に筋繊維が太くなる
筋肉を構成する筋繊維という細胞内には、数百個の核が存在します。
筋トレによって筋繊維に負荷がかかると、細胞内の核が増加します。さらに筋トレを行うと、今度は筋繊維が太くなります。これが筋肉が太くなる仕組みです。
多くの方が、経験しているとは思いますが、一度筋トレで太くした筋肉も、その後、何もしなければ細くなっていきます。筋トレを止めて何年もあるいは何十年も運動をしなければ、もとの細い筋肉に戻ってしまいます。
なので、筋肉の太さを維持するためには、筋肉に適度な負荷をかけ続けることが必要です。
マッスルメモリー
例えば、10年間筋トレを継続してムキムキになった人が、数年間運動しなかったことで、もとの細い体に戻ってしまった場合、全盛期の筋肉を取り戻すには、再び10年間の筋トレが必要となるのでしょうか。
結論から言うと、10年もかからず筋肉を全盛期に戻すことができます。
トレーニングを止めると筋肉が細くなりますが、それは筋繊維が委縮することが原因です。しかし、筋繊維が委縮しても、直ちに筋トレで増やした核が減少するわけではありません。
なので、筋繊維が委縮しても核が減少する前にトレーニングを再開すれば、核を増加させる必要がないので、その分だけ筋トレ期間を短縮することが可能なのです。
昔から経験的に筋トレを中止しても、再開すれば比較的早く筋肉を太くすることができることは知られており、マッスルメモリーが存在するのではないかと考えられていました。
石井直方教授の著書「筋肉革命」では、アメリカの研究グループがネズミを使った実験で、運動を止めても3ヶ月間は筋肉が太くなりやすい期間が続いたことが紹介されています。ただ、人間の場合、筋トレを止めてから筋肉が太くなりやすい期間がどの程度なのかはわかっていないようです。
筋トレを止めて筋肉が落ちてしまっても、再び筋トレを始めれば以前よりも早く筋肉を太くすることができるので、病気やけがで運動ができない期間があっても、それほど気にする必要はありませんね。
なお、マッスルメモリーについては、「じてトレ」というサイトの下記ページで解説されていますので、ご覧になってください。