バランスの良い食事が健康に良いというけど

健康的な食事とは、バランスの良い食事だとされています。

でも、バランスの良い食事がどういうものなのか、具体的に説明できる人はほとんどいないのではないでしょうか。三大栄養素の糖質、脂質、タンパク質を6:2:2で摂取するのがバランスの良い食事だと言う人もいますし、野菜を1日に350グラム食べるのがバランスの良い食事だと言う人もいます。

その根拠は、どこから来るのかを調べても、納得できる答えを見つけることはできません。

極端な食事が死亡リスクを高める?

バランスの良い食事については、様々な見解がありますが、多くの種類の食品をまんべんなく食べるという点では共通しているようです。Women’s Healthの以下の記事でも、そのようなことが紹介されており、糖質だけを極端に減らす、脂質だけを極端に減らすようなダイエットをすると、死亡リスクが高まるそうです。

この手の研究は、飽きるほど見ていますが、どれも信憑性に欠けるものばかりです。上の記事で紹介されている研究結果も、8万人以上の食事を9年に渡って追跡調査したものらしいのですが、どうも怪しいですね。

8万人もの人の食事を9年間も追跡するのにどれだけの費用がかかるでしょうか。

被験者が、1日3食、写真を撮ってスマホで送るだけでも多大な手間がかかります。そして、その写真をまとめて、食事に含まれる栄養素を逐一調べなければなりませんから、人件費も莫大なものになるはずです。

スタッフが、1人につき1,000人分の食事内容を分析したとしても、80人のスタッフが必要になります。日給1万円としたら、1日に80万円。1年間で2億9千万円、9年間で26億円を超える人件費がかかります。それだけの予算を使って出された結論が、いずれかの食品を極端に減らすと健康に影響を及ぼすというあっさりとしたものなのですから、その研究に意味があったのでしょうか。

おそらく、26億円もの予算を使って研究してはいないでしょう。この手の研究は、1回か2回、アンケートを取って9年後にアンケートを書いた人がどうなっているのかを調べる程度のことしかしていません。

だから、まったく信頼できるものではないんですよね。

仕組みを明らかにしないと何もわからない

食事内容が健康に影響を与えるのは事実でしょう。

食事が健康にどのような影響を与えるかを解明しようと思ったら、食べた食品が体内でどのような反応を起こすのか、その仕組みを明らかにしないといけません。

しかし、上で紹介したような研究は、食べたものが体内でどうなるのか、その仕組みを明らかにしようとしていません。大まかな傾向はつかめるかもしれませんが、これが健康に良いとか悪いとか、言い切ることはできません。

一体何のためにこのような研究をしているのか理解できないですね。

それと、食事に関する追跡調査をするのなら、生まれてから死ぬまでの間、ずっと行う必要があるでしょう。そして、研究結果が出るのは100年以上経ってからです。自分が生きている間に結論が出ない研究に誰が取り組むというのでしょうか。