運動は食前と食後のどちらの方が太りにくいのか

ダイエットのために運動をするなら、食前と食後のどちらが効果的なのでしょうか。

これは、人類がダイエットを始めてからの永遠のテーマのように思えます。消費カロリーが摂取カロリーを超えていれば太らないという理屈を信じている人は、いつ食事をしようが摂取カロリーが同じなら結果は同じと考えることでしょう。

でも、カロリーが体重の増減と関係していると信じている人の中にも、食事のタイミングによって太りやすかったり痩せやすかったりするはずだと考える人がいることから、カロリー計算以外でも、太ったり痩せたりする仕組みが働いているのではないかとの疑問が生まれるのでしょう。

体に脂肪がつきにくくするにはどうすれば良いかを考えてみよう

太るとは、要するに体に脂肪がつくことです。

体に脂肪がつくのは、食べたものが脂肪に変わって蓄積されることですから、食べたものをいかにして脂肪にさせないかを考える必要があります。

例えば、脂質(中性脂肪)を食べた場合、脂肪組織に脂質が入っていきます。でも、脂肪組織では常に中性脂肪の分解が起こっているので、脂肪組織に入る中性脂肪と出ていく中性脂肪が同じであれば、脂肪組織に蓄積されている中性脂肪の量に変化はないはずです。

しかし、糖質を食べた場合には、中性脂肪の分解が抑えられ、また、糖質が中性脂肪に変えられて脂肪組織に蓄えられるので、脂肪組織は肥大していきます。

ただし、筋肉に蓄えているグリコーゲンを消費した状態だと、糖質は、脂肪組織より優先的に筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。

ここからわかるのは、糖質を食べるタイミングで脂肪組織に中性脂肪が溜まるかどうかが決まるということです。

食前に激しい運動をする

筋肉に蓄えられたグリコーゲンは、激しい運動をすると消費されます。サッカーやバスケットボールなどの運動をすれば、グリコーゲンを消費していますから、その後に糖質を食べても、優先的にグリコーゲンが補充されるので脂肪組織に中性脂肪が溜まりにくくなります。

また、高強度の筋トレをした場合も、筋肉のグリコーゲンを消費します。

このようなグリコーゲンの特徴から考えると、ダイエット目的で激しい運動や筋トレをするのなら食前が好ましいと言えそうです。

仮に激しい運動の前に食事をすると、筋肉のグリコーゲンは満タンですから、余分な糖質は脂肪組織に中性脂肪として蓄えられることになります。

食後は軽めの有酸素運動

太らないようにするには、食前の激しい運動や筋トレが効果的ですが、何も運動をせずに食事をした場合は、どうしたら良いでしょうか。

この場合は、ウォーキングなどの軽めの有酸素運動をすることで、中性脂肪の蓄積を少なくできると考えられます。

糖質を食べると、血糖値が上がります。高血糖は、体にとって好ましい状態ではないので、すい臓がインスリンを分泌して、脂肪組織や筋肉に取り込ませて血糖値を下げようとします。そして、運動をした場合も、インスリンが分泌されるのと同じように血糖値を下げる効果があります。

だから、上がった血糖値を速やかに下げるために運動をすれば、糖質のエネルギー利用が進み、脂肪組織に無駄に蓄積される中性脂肪を減らすことができます。

ウォーキングのような軽い運動の場合、筋肉のグリコーゲンはほとんど消費されません。だから、食前に軽めの運動をしても、筋肉のグリコーゲンは減っていないので、脂質と余分な糖質は、脂肪組織に中性脂肪として蓄えられてしまいます。

カロリーで太るかどうかが決まると考えている人は、食事のタイミングを気にする必要はありません。でも、食べるタイミングも、太るかどうかに影響するのではないかと思っている人は、食前は無酸素運動、食後は有酸素運動を試してみましょう。

人体は、こんな単純にはできていないでしょうけどね。

それと、そもそも糖質を過剰に摂取しなければ、こんなこと考える必要もないです。