糖質摂取量を減らすと筋肉が少なくなるという噂があります。
その理由は、体を動かす時のエネルギーを確保するために筋肉を分解して、タンパク質からブドウ糖を作るからだそうです。
筋肉は、ブドウ糖から合成したグリコーゲンを蓄えており、このグリコーゲンが筋肉を動かす時のエネルギーとなります。しかし、糖質制限をしているとグリコーゲンが枯渇し、タンパク質からブドウ糖を作らないと体を動かせないので、結果としてタンパク質でできている筋肉が減少するらしいです。
スタートラインに立つと筋肉が分解され始めるの?
上の理屈を聞くと、疑問に思うことがあります。
それは、糖質を摂取していない状態で、100メートル走のスタートラインに立つと自動的に筋肉が分解されてブドウ糖が合成され始めるのかということです。
だって、筋グリコーゲンが枯渇してエネルギー源が無くなっているのなら、走る前に筋肉を分解してブドウ糖を作らないといけませんよね?
では、筋肉は、どのようにして今から100メートルを全力疾走するという情報を受け取るのでしょうか?
教えてほしいんですけど、誰も答えてくれません。
そもそも、糖質制限で筋グリコーゲンが枯渇するというのが妄想なんですよね。以前に持久的アスリートは糖質を摂取しなくても筋グリコーゲンが回復するという研究を紹介しました。この研究によると、筋グリコーゲンの枯渇が、そもそも起こっていないでしょう。糖質制限をしているアスリートが走った後の筋グリコーゲンの回復を調べているのですから、走る前は筋グリコーゲンが蓄えられていたことが前提になっているはずです。
筋トレ後に糖質を摂取すると筋肉が付きにくい
また、筋トレ後は、筋肉が壊れるので、その壊れた筋肉を修復するためにタンパク質を補給しなければならないと言われています。
筋トレ後のタンパク質補給が少ないと、筋肉は発達しません。筋トレ前のタンパク質補給の方が筋肉の発達に効果的なようですが、いずれにしても、タンパク質を多く摂取することが筋肉を発達させることに違いはありません。
筋トレ後のタンパク質補給では、糖質も同時に摂取した方が筋肉を発達させやすいとされています。
タンパク質を摂取すると、インスリンが分泌され筋肉がタンパク質(アミノ酸)を取り込みやすくなります。また、糖質を摂取した時は、タンパク質摂取よりも多くのインスリンが分泌されますから、筋肉にアミノ酸を取り込みやすくなるように思えます。ちなみに糖質とタンパク質の同時摂取はインスリン分泌量をさらに増加させます。
筋トレ後にインスリンを大量に分泌させれば、理屈としては、筋肉をより発達させるはずです。
しかし、シミズ先生のブログの下記記事によれば、タンパク質のみの摂取の方が、タンパク質と糖質の同時摂取よりも筋肉を発達させるそうです。
血中のブドウ糖濃度が高くなると、血管の中が渋滞してアミノ酸が筋肉に取り込まれにくくなるんですかね?
よくわかりませんが、タンパク質と糖質を同時に摂るよりもタンパク質だけを摂った方が良いみたいです。普通に考えれば、筋肉はタンパク質でできているんですから、タンパク質優先でしょう。
糖質を摂らないと筋肉が減る理屈がまったくわかりません。