すい臓のβ細胞から分泌されるインスリンは、肥満ホルモンと呼ばれることがあります。インスリンが分泌されると、血糖(ブドウ糖)が脂肪組織に取り込まれて、中性脂肪として蓄えられるのがその由来です。
それなら、インスリンが分泌されなければ肥満にならずに済むのですが、インスリンがなければ上がった血糖値を下げることができなくなるので、高血糖の状態が持続してしまいます。インスリン分泌が保たれていない状態が糖尿病と呼ばれる病気ですから、人間にとってインスリンは必要なものだということがわかります。
すい臓のβ細胞から分泌されるインスリンは、肥満ホルモンと呼ばれることがあります。インスリンが分泌されると、血糖(ブドウ糖)が脂肪組織に取り込まれて、中性脂肪として蓄えられるのがその由来です。
それなら、インスリンが分泌されなければ肥満にならずに済むのですが、インスリンがなければ上がった血糖値を下げることができなくなるので、高血糖の状態が持続してしまいます。インスリン分泌が保たれていない状態が糖尿病と呼ばれる病気ですから、人間にとってインスリンは必要なものだということがわかります。
脂っこいものを食べると太ると言われますが、脂質だけを摂取しててもそんなに太ることはありません。むしろ、米や小麦に多く含まれている炭水化物(糖質)を食べる方が肥満しやすいです。
糖質を食べるとインスリンが分泌されて、糖質が中性脂肪に変わり脂肪組織に蓄積されます。しかも、インスリンが分泌されると中性脂肪の分解が抑制されるので、脂肪が溜まりっぱなしになってしまいます。さらに脂質と糖質を同時に摂取すると、中性脂肪がより多く蓄えられます。
私は以前から平熱が36.5度以上あり、割と高体温でした。さらに米、パン、麺類など炭水化物が多く含まれている食品の摂取を控える糖質制限を始めてから平熱が37度まで上がりました。
なぜ糖質制限をすると体温が上がるのか、よくわかりませんでしたが、高タンパク食になることで体温が上昇する可能性があると知ったので、それで納得していました。でも、高タンパク食以外にも平熱が上がる理由が他にもあることを知りました。
それは、アデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるエネルギーが合成される過程で熱が発生することです。
糖質を食べると、なぜ太るのか?
それは、糖質が体に入ってくると血糖値が上がり、それに反応したすい臓のβ細胞がインスリンを追加分泌して、糖質(血糖)を中性脂肪(トリアシルグリセロール/トリグリセリド)に変えて脂肪組織に蓄えるからです。インスリンは、何も食べなくても少しずつ分泌されていますが、糖質を食べた時に大量に分泌されます。だから、ダイエットをしている人は、糖質摂取を控えると成功しやすくなります。
でも、脂質を食べても中性脂肪が脂肪組織に蓄えられるのだから、結局、糖質だけでなく脂質も制限しなければ痩せないのではないかと疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
ダイエットで痩せるためには、体に蓄えられた脂肪を減らさなければなりません。脂肪を減らすためには、運動や食事制限を行う必要がありますが、その前に食品に含まれる脂肪がどのようにして体に吸収され、体内で運搬されるのかを知っておくことも大切でしょう。
多くの人が、脂っこい食品を食べると、体脂肪になって蓄積するイメージを持っています。でも、食品に含まれる脂質が、どのように体脂肪として蓄えられるかについて関心を持っている人は少ないように思います。
人間も含め動物は、生命活動を維持するために体内でアデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーを生み出しています。そして、ATPを生み出すためには、食事からその材料を補給しなければなりません。
動物がATPを体内で生み出すために必要な材料は、主に糖質(ブドウ糖)と脂質(脂肪酸)です。ブドウ糖でも脂肪酸でも、どちらからでもATPを生み出せますが、主要なエネルギー源と言われているのはブドウ糖です。
以前は、脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖だと言われていました。現在では、肝臓でアセチルCoA(コーエー)から合成されるケトン体も脳はエネルギー源として利用できることがわかっています。
なので、脳はブドウ糖とケトン体の両方を利用してエネルギーを作り出しています。
ところで、脳はブドウ糖とケトン体をどのような比率でエネルギー源として利用しているのでしょうか?
人間は、血中のブドウ糖濃度(血糖値)が下がると、肝臓でブドウ糖を作り出し血糖値を上げようとします。この働きは糖新生と呼ばれています。
ブドウ糖は人体に必要な物質ですが、糖新生が行われるので食事から摂取しなくても問題はないと考えられます。もしかしたら、研究が進んで、食事からのブドウ糖(糖質)摂取が一定以上なければならないといったことが発見されるかもしれませんが。
ブドウ糖は、体内でエネルギー産生に利用されます。ブドウ糖が不足するとエネルギー不足になって大変だと思うでしょうが、中性脂肪の分解産物である脂肪酸をエネルギー産生に利用できますし、さらに脂肪酸から合成されるケトン体もエネルギー源として利用できます。
人間の体液は、pHが7.35~7.45の弱アルカリ性に保たれています。pHが7.35よりも低くなり体液が酸性に傾くとアシドーシスという状態になり、吐き気、嘔吐、疲労感といった症状が発生します。
糖質制限をすると、肝臓でケトン体がたくさん作られます。ケトン体は酸性の物質なので、血液中のケトン体濃度が濃くなると体液が酸性に傾いてアシドーシスを引き起こすと言われています。だから、糖質制限は危険な食事法だと警告を発している人もいます。
人間に限らず多くの生物が、アデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるエネルギーを体内で作り出して活動しています。
ATPは、糖質、脂質、タンパク質のいわゆる三大栄養素を主原料として作り出されますが、その他にビタミンB群などの細々とした材料もなければなりません。また、ATPを大量に作り出すためには、細胞内にあるミトコンドリアに酸素が供給されなければなりません。
普段、意識しなくても酸素を吸って二酸化炭素を吐き出していますから、多くの人が、生きていくために必要な酸素を体内に取り込めていると思っていることでしょう。でも、体の隅々に酸素を送るためには、ただ酸素を吸っているだけではダメで、食事からしっかりと鉄分を補給する必要があります。