エネルギー論一覧

脂肪酸のβ酸化を分子式を使わずに解説

人間は、アデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーを体内で作り出して日々活動しています。

ATPはクレアチンリン酸から作られたり、グルコース(ブドウ糖)を使って細胞質の解糖系で作られたりしますが少量です。人間が生きていくために必要な量のATPを生み出すのは細胞内にあるミトコンドリアで、アセチルCoA(コーエー)を主原料とします。

アセチルCoAは、グルコースからできるピルビン酸からも作られますが、より多くのアセチルCoAを作る材料となるのは中性脂肪の分解産物である脂肪酸です。

今回は、脂肪酸からアセチルCoAがどのように作られるのか、分子式を一切使わずに説明します。

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人間が酸素を吸う理由はエネルギーを得るため

人間は、なぜ酸素を吸うのでしょうか。

普段、こんなことを考える人はあまりいませんよね。考えたとしても、「酸素を吸わなかったら苦しくなるから」という程度でしょう。

呼吸は意識しなくても勝手に行いますから、仕事中でも、勉強中でも、遊んでいる最中でも、「酸素を吸って二酸化炭素を吐き出さなければ」なんて考える必要はありません。それゆえ、人はなぜ酸素を吸うのかを考えないのかもしれません。

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赤血球がミトコンドリアを持たない理由を考えてみようか

人間は、体内でアデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーを作り出して活動しています。体内でATPを産生しているのは、主に細胞内にあるミトコンドリアと呼ばれるエネルギー工場です。他に解糖系でもATPは作られますが、その量はミトコンドリアと比較すると大した量ではありません。

細胞は基本的にミトコンドリアを持っていて自家発電できるのですが、なぜか赤血球だけはミトコンドリアを持っていません。

なぜ、赤血球はミトコンドリアを持っていないのか?

不思議に思いませんか。

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脂質のカロリーとATPを計算してみる

前回の記事では、糖質のカロリーとアデノシン三リン酸(ATP)の産生量を計算してみました。

では、脂質のカロリーとATPはどのように計算するのか、それを知りたい方もいらっしゃるでしょう。ということで、今回の記事では、脂質のカロリーとATPの計算に挑戦してみます。

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糖質のカロリーとATPを計算してみる

糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素は、体内でアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるエネルギーを作る材料となります。

そして、糖質、脂質、タンパク質から得られるエネルギー量はカロリーで表されます。

ところで、三大栄養素から作り出されたATPのカロリーは一体どの程度なのでしょうか?

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筋肉のグリコーゲンは糖質を摂取しなくても貯蔵できる

最近、2日続けて全力疾走しました。

普段、理由もなく走ることなんてないのですが、久しぶりにダッシュしてみました。準備運動一切なしでの全力疾走だったので、普通に歩いている状態からゆっくりと走り出し、徐々に速度を上げていってトップスピードに持っていくという走り方です。

距離にすると100メートルほどでしょうか。その半分くらいの距離は全力疾走です。それを1日に3回か4回、2日合計で7回ほど全力疾走しました。おかげで太股が筋肉痛になってしまいました。

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クレアチンリン酸はグルコースよりも即効性のあるエネルギー源

以前にグルコース(ブドウ糖)と脂肪酸のどちらが主要なエネルギー源なのかといった記事を書きました。

即効性を重視するなら解糖系+グルコース、エネルギー量を重視するならミトコンドリア+脂肪酸が、主要なエネルギー源となるのではないかと述べたのですが、実は、解糖系+グルコースよりも即効性のあるエネルギー源があります。

それは、クレアチンリン酸です。

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解糖系とミトコンドリアのどちらを重視するかで主要エネルギー源は変わる?

人間の主要なエネルギー源については、グルコース(ブドウ糖)なのか脂質なのかといった議論があります。

昔からグルコースが主要なエネルギー源と言われていますが、人間は、グルコースの他にも、タンパク質と脂質もエネルギー源として利用できます。なので、グルコースが主要エネルギー源だとする考え方においては、タンパク質と脂質はおまけといった位置づけになるのでしょう。

一方、脂質を主要なエネルギー源と考えるのであれば、グルコースとタンパク質はおまけとなるはずです。

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