エネルギー論一覧

カロリーとGI値の関係はおかしいよね

昔からダイエットには、カロリー計算が大切って言われていますよね。

運動をして消費カロリーを増やし、食べすぎを押さえて摂取カロリーを減らすことで、消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態を維持できれば、体重はどんどん減って行くと。当たり前すぎて、この理屈に何の違和感も持っていない人が多いと思います。

また、近年、GI値という指標もダイエットで意識しなければならないと言われるようになっています。GI値は、血糖値が上がりやすい食べ物ほど高くなり、血糖値が上がりにくい食べ物ほど低くなります。例えば、ブドウ糖はGI値が100で最も高いです。白米もそこそこ高く、玄米は低めだったと思います。細かい数字は覚えていませんが、要するに食べ物に含まれる糖質の吸収が速いとGI値は高くなり、遅いとGI値は低くなります。そして、GI値の高い食べ物ほど太りやすいという理屈です。

カロリーとGI値の理屈さえ知っていれば、万年ダイエットから抜け出せるはず?

続きを読む


人体は食べ物に含まれるエネルギーを直接利用していない

ヒトが食べる食物には、糖質、脂質、タンパク質といった三大栄養素が含まれています。この三大栄養素は、エネルギーの元となりますが、人体は、三大栄養素のエネルギーを直接利用して活動してはいません。

ヒトにとってのエネルギーは、アデノシン三リン酸(ATP)です。ATPは、アデノシンにリン酸が3個くっついた物質で、リン酸が1個外れるとエネルギーが放出されます。その放出されたエネルギーを使って、ヒトは、手を動かしたり、歩いたりしています。

このATPの合成のために三大栄養素に含まれているエネルギーは使われます。

続きを読む


消費カロリーが摂取カロリーを上回っても計算上は痩せるとは限らない

ヒトが太るか痩せるかは、消費カロリーと摂取カロリーの関係で決まると信じられています。

 

「消費カロリー > 摂取カロリー」なら痩せる。
「摂取カロリー > 消費カロリー」なら太る。

 

では、本当にこの関係が成立するかどうかを簡単に計算して確かめてみましょう。

続きを読む


グルコースと中性脂肪の行方はどうなっているの?

グルコース(ブドウ糖)と中性脂肪は、体内でアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるエネルギーを作り出すための材料となります。

グルコースも中性脂肪も、何段階もの反応を経て、細胞質の中にあるミトコンドリアに入ります。そして、クエン酸回路(TCA回路)が回り、たくさんのATPが作られます。

それなら、グルコースも中性脂肪も両方まとめてミトコンドリアに送り込めば、大量のATPを一度に合成でき、とんでもないパワーを発揮できるのではないかと考えてしまいますが、我々の身体は、そう都合よくはできていません。

続きを読む


アミノ酸は種類によってクエン酸回路への合流点が異なる

タンパク質のカロリーは、1グラム当たり4kcalとされています。

以前、これが嘘くさいということを記事にしたことがありますが、やっぱり今でも嘘くさいなと思っています。

タンパク質は、20種類のアミノ酸の集合体です。バリンとかロイシンとか、いろいろとアミノ酸はありますが、どのアミノ酸も1グラム当たりで同じ量のエネルギーを作り出せなければ、タンパク質のカロリーが1グラム当たり4kcalとは言えないはずです。

ということで、どのアミノ酸からも、同じ量のエネルギーを作り出せるのかを考えてみましょう。

続きを読む


クエン酸回路の仕組みをわかりやすく説明するよ

人間は、エネルギーを自前で作り出して様々な活動をしています。

エネルギーの元となるのは、主に脂質、糖質、タンパク質の三大栄養素です。これらが口に入り、消化されて体内に吸収されると、体作りに使われるものとエネルギー利用されるものに分かれます。

ここで、エネルギー利用される三大栄養素は、細胞内のミトコンドリアに運ばれて、大量のアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるエネルギー通貨が作り出されます。

このATP産生に重要な働きをしているのが、クエン酸回路(TCA回路、TCAサイクル)と呼ばれるミトコンドリア内での化学反応です。

続きを読む


ビオチンは糖新生や脂肪酸合成に必要な栄養素

ビタミンB群の一種にビオチンという栄養素があります。

ビタミンB群をサプリメントで補給している方だと馴染みのある栄養素ですが、そうでない方だと知らないかもしれませんね。

ビオチンは、必須の栄養素であるため欠かすことができません。不足すると糖新生や脂肪酸合成に不都合が生じるので、不足しないように補給しておきたい栄養素です。

続きを読む


パントテン酸は糖質と脂肪酸の代謝に関わる

ビタミンB群の一種であるパントテン酸は、体内で糖質と脂肪酸からエネルギーを作り出すために重要な働きをしています。

しかしながら、エネルギー不足にならないようにパントテン酸をしっかりと摂取しましょうといったことを聞く機会はほとんどありません。パントテン酸は、多くの食品にまんべんなく含まれているので、まず不足することはないため、しっかりと摂取しなさいと言われにくいのでしょうね。

だからと言って、パントテン酸を無視して良いわけではありません。パントテン酸は、エネルギー産生にとても重要な働きをしているので、無理なダイエットをしているとパントテン酸が不足し、それに伴ってエネルギーも不足する危険があります。

続きを読む


葉酸は細胞分裂に不可欠の栄養素

最近、妊活という言葉をよく聞くようになりました。

妊活は、妊娠しやすい体作りのための活動ということですが、その活動の中に葉酸を多く摂取することも含まれているようです。

ビタミンB群の一種である葉酸は、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれており、人体にとって必須の栄養素です。だから、食事から、しっかりと補給する必要があり、特に妊娠を計画している女性は、通常よりも多くの葉酸を摂取することが推奨されています。

続きを読む


ビタミンB₁₂はホモシステインからのメチオニン合成に欠かせない

ビタミンB群の一種であるビタミンB₁₂は、あまり注目されることがない栄養素です。

でも、必須の栄養素なので、不足すると健康面に悪い影響を与えますから無視することはできません。だから、ビタミンB₁₂の体の中での働きを知っておくことは、健康維持のために大切です。

続きを読む